No.1306(2026年1月号)
新春対談
No.1306(2026年1月号)
新春対談

三田評論
2026年1月号表紙
第50回を迎えた小泉信三賞全国高校生小論文コンテストの入賞作、いずれも瞠目の出来である。こうした人たちは、「育て」なくとも「育つ」と思う。この場合、教員は彼ら彼女らと伴走するだけでよい。ことに「わかりにくさ」の美学をめぐる主張、多年講義で苦労していたことが改めて言語化され爽快だった。「新春対談」の石破元総理の述懐、わが国の近現代史への反省についての真摯な姿勢に共感する。「戦後80年所感」は政治力学による縛りがあるかもしれないが、懸念されるのは学知の分断、あるいは指摘されている「無知」である。義塾で日本外交史を学べば、「所感」の諸論点は将来への関わり合いも含めて既知であるはずだが(期末試験が終わればきれいさっぱり忘れる?)、専門分化の進んだ今日の大学では、「所感」は義塾においてすら常識にならない。「三人閑談」は日本の食「おでん」の時空をまたぐ多様性を語って、興趣は尽きない。
(赤木完爾)
本年の劈頭を飾る恒例の塾長新春対談は慶應義塾出身の4人目の総理である石破茂さん、石破佳子さんご夫妻をお迎えしました。昨10月に発表された「戦後80年所感」のことを中心に、戦争期を挟んでの近代日本の歩みと慶應義塾での学びを重ね合わせた対談は、他の記事では見ることのできないものになっています。
田中智行さん
大阪大学人文学研究科教授、塾員(2000文)
インタビュアー:阿久澤武史(慶應義塾高等学校校長)
10年の歳月をかけて『新訳 金瓶梅』を完成・刊行し、日本翻訳文化賞を受賞された田中さん。普通部の「労作展」の時からの中国古典との関わりが、まさに「10年かけた労作展」として実を結んだ過程と『金瓶梅』の面白さを存分に語っていただきました。義塾一貫教育の成果とともに生成AI時代に古典を読む意義を語る味わい深いインタビューです。
冬の味覚の定番と言えばおでん。専門店からコンビニまで、今や本格的な味が手軽に食べられます。じつは、はんぺん、ちくわぶといった定番のおでん種や出汁の風味は地域ごとにさまざま。フレンチ風や韓国風といったニューウェーブの人気も根強く、その世界を繙いてみるとおでんの国・日本の意外な多様性が明らかになりました。
〈選評〉小川原正道・恋田知子・小西祥文・谷口和弘・早川 浩・町田智子

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。
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