〈癒し〉のナショナリズム
―草の根保守運動の実証研究
  好評発売中!
小熊英二・上野陽子著     四六判・上製・232頁
定価:1,890円(本体価格1,800円) 慶応義塾大学出版会発行
 
「新しい歴史教科書をつくる会」とは何だったのか。
―〈日本〉という居場所をもとめて「つくる会」につどう人々―
「新しい歴史教科書をつくる会」を一事例に、保守系ナショナリズム運動の草の根的活動を担う、自称〈普通の市民〉たちのメンタリティを実証的に分析。人々の心の闇のひろがりによる共同性の喪失を浮き彫りにし、現代日本のナショナリズムの行方を問う。

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主要目次 詳細な目次
序文(小熊英二)
一章 「左」を忌避するポピュリズム――現代ナショナリズムの構造とゆらぎ(小熊英二)
二章 『新しい公民教科書』を読――その戦後批判を点検する(小熊英二)
三章 〈普通〉の市民たちによる「つくる会」のエスノグラフィー――新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部有志団体「史の会」をモデルに(上野陽子)
四章 不安なウヨクたちの「市民運動」(小熊英二)
あとがき(上野陽子)


序文(一部)立ち読み 
・・・ 一九九七年に結成された「新しい歴史教科書をつくる会」は、結成当初から注目を集め、批判の対象とされてきた。しかし筆者が感じていたのは、「つくる会」への批判や論評が多いわりには、実証的な研究がほとんどないということであった。・・・
 
あとがきPart2(web上だけの特別公開。本書には収録されません)
…私は「史の会」や「つくる会」につどう人びとが、ある種の解放を求めているということは否定しない。上野もいうように、彼らは平均よりも「真面目さ」と「熱情」をもつ人びとなのかもしれない。しかし私が彼らに言いたいことがあるとすれば、一つはそのような「真面目さ」が、マイノリティや国内政治、国際関係にどのような影響を及ぼしているかを、主観を離れて考えて欲しいということ。そしてもう一つは、「そんなことをしていて本当に楽しいですか」ということである。…
 
著者より 不安な時代にただよう「ナショナリズム気分」を分析
関連書籍(本書で言及されている書籍のリスト)
著者の本(すべて新曜社より発行)
〈民主〉と〈愛国〉
単一民族神話の起源
〈日本人〉の境界
インド日記
著者略歴
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