◆書評一覧◆
東京新聞 2003/5/25 朝刊
中日新聞 2003/5/25 朝刊
週刊朝日 2003/5月30日号 (評者 斎藤美奈子) 

・・・いやあ、おもしろかったです。「つくる会」に賛同する人たちがどんな感じか、はじめてリアルにわかった気がした。
 肝心なのは、彼らが批判派がイメージする従来の「保守」「右翼」とは大きく隔たっていることである。彼らは「普通の市民」を自称する。
・・・調査対象となった「史の会」のメンバーがよく使うキーワードがあげられている。肯定的な意味で用いられるのは、良識、普通の感覚、健全なナショナリズム、庶民、日本人としての誇り、伝統、産経。もっぱら否定的な意味で攻撃の対象とされるのは、左翼、サヨク、人権、朝日、官僚、中国、韓国、北朝鮮・・・。
・・・「普通の市民」である彼らに、共通した思想的傾向は見いだせない。つまり彼らにとっては、「普通の市民」であること自体が、唯一の拠りどころなのだ。
・・・あたかも否定的な他者を「普通でないもの」として消去することで、自らの「普通」を立証するかのように、「サヨク」や「官僚」や「朝日」の非難に終始する。「サヨク」とは、自己中心的、病的、ヒステリックなどのニュアンスを含んだミーイズムの別名だ。
・・・若い世代の「癒し史観」。それは親父慰撫史観とはまた別の、もっと厄介な感受性である。自らを「普通」と規定する以上、排除と攻撃の矛先はいつどこへ向かうとも知れない。・・・
中國新聞 2003/6/1 朝刊
サンデー毎日 2003年6月1日号
京都新聞 2003/6/8 朝刊
信濃毎日新聞 2003/6/8 朝刊
毎日新聞 2003/6/8 朝刊 (評者 養老孟司)
・・・さらにこの人たちが「異常」な少数派であるというなら、むしろ問題はない。そう小熊はいう。こうした人たちがまさに「普通の市民」だといわざるをえない、そこが問題だという。なぜなら将来、「この本を読んでいるあなたが、〈普通でないもの〉として発見されてゆくことがありえないとは、誰にも保証できないのである」から。…
神戸新聞 2003/6/15 朝刊
北海道新聞 2003/6/15 朝刊
朝日新聞 2003/6/18 夕刊
…上野さんは彼らのアイデンティティーに対する「不安」と「迷い」を見いだし、理想の国家像の構築という彼らの目的は「リアルな世界に夢や希望を持てないからこそ抱く幻想」と結論づける。
 ただ、人はだれでもこうした活動にかかわる可能性があるのではないか。それがフィールドワークを通じた上野さんの思いだ。・・・
Book asahi.com 「ニュースの本棚」2003/6/18
河北新報 2003/6/26 朝刊
噂の真相 2003年7月号
ダカーポ 2003年7月2日号
歴史読本 2003年8月号
朝日新聞 2003/9/9 朝刊 著者小熊英二氏のインタビューが掲載されました


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