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■───────────────────────────────── 「教育と医学」特別付録
     □■□ メルマガ「教育と医学」 ■□■
             第25号(2006年12月27日発行)
──────────────────────────────────■ ▼ 2006年もあと少しとなりました。2007年が子どもたちにとっていい年にな ることを祈ります。子どもが元気な社会になりますように!
▼「教育と医学」1月号の第一特集は、「“No”と言える子ども」がテーマで す。第二特集は、いじめなど問題になっている今、思いやりをどうやって育む かについてです。

◇CONTENTS◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
■最新号「教育と医学」(2007年1月号)の内容
★1.どこから読もうかな?<今月のポイント>
★2.ちょっと覗いてみよう<立ち読みコーナー>
★3.次がまちどおしいぞ<次号予告>
★4.もっと知りたい!<今月の本棚>
■慶應義塾大学出版会からのご案内
■メルマガ編集後記
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■最新号「教育と医学」(2007年1月号)の内容■

特集1:“No”と言える子どもを育てる

 無理な注文や、意にそぐわないことに、きちんと「いや」とあなたは言えま すか? これはとても難しいことで、子どもに限ったことではありません。  お互いの存在を尊重しつつ意見を交換できる、そんな関係を築くことができ るかが鍵のようです。親子、家庭、教師と生徒、友人同士など、“No”と言え るか、をキーワードに、コミュニケーションと関係性について探ります。

特集2:今こそ思いやりを育む

 前号に続き、「思いやり」をテーマにしました。「思いやり」や「優しさ」 は生来の性格なのでしょうか。発達心理学の先生は、観察学習、つまり子ども は大人の言動などから学んでいくものだ、ととらえています。

今号の紹介ページ
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★1.どこから読もうかな? <今月のポイント>

*巻頭随筆は、次の「立ち読みコーナー」をご覧ください。

●特集1・“No”と言える子どもを育てる

◆ 「“No”と言える子どもとは」

 森田ゆり(エンパワメント・センター主宰)

<主な見出し>感情と理性の関係について考える/“No”は言えなくてもいい /怒りの仮面/怒りの感情とジェンダー/I(アイ)メッセージはeye(アイ) メッセージ/CAP(子どもへの暴力防止)ワークショップ/身体性と主体性 の相互作用

◆「コミュニケーション力としての“No”」

 橋本和明(花園大学社会福祉学部教授)

<主な見出し>若者が使用する不快さを示す言葉/大学でのロールプレイ実習 /“No”と言えることとコミュニケーション力/コミュニケーション力を支え るもの/“No”と言えない結末にあるもの

◆ 「アサーション・トレーニングで
  “No”と言える関係の基盤を創る」

 平木典子(跡見学園女子大学教授)

<主な見出し>アサーションという考え方・生き方/アサーションの前提/ “No”が言えない環境/「違い」を「間違い」にしない関わりの必要性/アサー ションの場としての家庭・教室の雰囲気づくり/関係維持のアサーション

◆「“No”を言える子どもに:CAPプログラムの実践から」

 砂川真澄(特定非営利活動法人くまもと子どもの人権テーブル代表)

<主な見出し>CAPプログラムについて/CAPプログラムにおける“No”/実践 の成果と課題/課題を克服するための試み

◆「『自己主張』と『がまん』の教育」

 佐藤淑子(鶴川女子短期大学教授)

<主な見出し>文化と、社会性の発達/イギリスではどのように子どもの「自 己主張」と「がまん」を育んできたか/自己主張と自尊心

◆ 「『“No”と言える子』についての積極的な理解
   ――キレて当たり前の、その言語環境から」

 齋藤 齊(元国語教師)

<主な見出し>子どもたちは、己自身を明かすに、力ある言葉を必死に求めて いる/子どもたちは、彼らだけに許された表現形態を否定されてキレる/子ど もたちは、言語能力の獲得を目ざしながら、実験的に犯し続ける

●特集2・今こそ思いやりを育む

◆「思いやりの心をいかに育てるか」

 荒木紀幸(神戸親和女子大学教授)

<主な見出し>思いやり教育とコールバーグ理論/道徳性の発達段階と思いや りの関連/道徳的心情や感情の発達/ジレンマ授業で道徳的心情がどう高めら れたか

◆「思いやりを育む親子関係」

 青柳 肇(早稲田大学人間科学学術院教授)

<主な見出し>思いやり行動の基盤/動機づけの視点からの思いやり行動/観 察学習と同一視

◆ 「ソーシャルスキルで思いやりを育む」

 渡辺弥生(法政大学文学部教授)

<主な見出し>思いやりは「性格」か?/ソーシャルスキルの考え方/社会性 はどうやって育つのか/ソーシャルスキルトレーニング(SST)の意義/ソー シャルとモラルの違い/

●特別連載「障害のある人と労働(2)
   ――障害のある人の働き方:法律・類型と質」(全3回)

 關 宏之(広島国際大学医療福祉学部教員)

<主な見出し>働き方の類型:世界の動向/わが国の障害者雇用施策/人の働 き方(ディーセント・ワーク)

●コミュニケーションや関係性に関する資料

(「教育と医学」バックナンバー)
2006年10月号 特集 社会的スキルを育てる
2002年10月号 特集 知・情・意のバランス

●思いやり、子どもの心に関する資料

2002年9月号 特集 プライドを育てる
2002年1月号 特集 青少年の問題行動を考える

●好評の連載

◆ 村瀬嘉代子「連載・瞬息のきらめき」

第7回「食を通して伝えられるもの」
 テレビで見たある家庭の献立。「子どもが食べたがるものを出しますから、 毎日同じようなものです」「子どもの機嫌をそこねて食事をもめる場にしたく ないし…」という親。「??」疑問を抱く村瀬先生。

◆田中康雄「連載・生きること・支え合うこと」

第7回「困惑感 そして関わることの覚悟」
 今回は、相互理解が困難な病をかかえるの方とのかかわりのお話。病名でく くってしまうことは避けたいので、ここでは記しません。本誌をご覧ください。

◆ 村田豊久「連載・子どもの心の診療室から―子ども臨床から学ぶこと―」

第7回「災害に遭遇した子どもの心的後遺症」
 交通事故で足を骨折し入院したF君。入院中に落雷を体験し、ケガが治った のに歩けなくなってしまいました。そこでF君は村田先生のもとに受診にきま した。村田先生は、「子どもの恐怖や治療中の不安に留意が必要」とおっしゃ います。
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★2.ちょっと覗いてみよう <立ち読みコーナー>

【今月の立ち読み1】

巻頭随筆「『いや』と言う子どもを愛せるか」
 高橋惠子(聖心女子大学文学部教授)
 発達心理学がご専門の高橋先生は、子どもの「いや」を認め、それとつきあ うために、四つの提案をあげます。また、最後に「おとなの人間観や世界観が 問われているといえるであろう」と核心をついたことばが……。

【今月の立ち読み2】

「編集後記」
 加藤和生(九州大学大学院人間環境学研究院助教授)
 心理学がご専門で、児童虐待なども研究されている加藤先生。「自己境界」 という視点から、本号の特集テーマを分析します。
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★3.次がまちどおしいぞ <次号予告>

特集1・地域ぐるみでの子育ては可能か

 少子化、家庭での教育力の低下、児童虐待など、子どもを生み育てる環境が 大きく変化してきています。「地域ぐるみでの子育て」として、子育て支援セ ンター、児童相談所、学校、養育施設など、行政の支援の新たな取り組みも始 まっています。子どもが健やかに育ってほしいと願い、先駆的な活動している 方々にご執筆いただきます。

特集2・動物のもつ癒しの力

アニマル・セラピーの効果に注目し、今、高齢者や発達障害児者への取り組み がなされています。アニマル・セラピーとは何か、そして動物との共感や信頼 がもたらす人間と動物の交流について、専門家に解説いただきます。「ムツゴ ロウ」こと畑正憲先生にもご執筆いただきます。

2007年2月号の内容(予定)
2月号は、1月27日発売です。
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★4.もっと知りたい!<今月の本棚>

今回は、児童精神科医の村田豊久先生ご推薦の本を紹介します。

◆清水將之 著
『災害の心理―隣に待ち構えている災害と
    あなたはどう付き合うか―』
創元社、2006年8月発行
四六判、228頁、1890円(本体1800円+税)

 清水將之さんが『災害の心理』という、人がどのような災害に遭い、どう苦 しんできたかを、広く、そして深く記された、とてもすばらしい本を出版され ていることを知りましたので、ここで紹介します。
 清水さんは、日本児童青年期学会の理事長も務められた児童精神科医で、 『教育と医学』にも2005年7月号の「巻頭随筆・安全な教育とは」を書いてお られます。
 清水さんの災害とのかかわりは、ご自身が当事者ともなられた、阪神・淡路 大震災への長年にわたる救援活動です。この11年の体験を通じて、清水さん はさまざまな感慨を持ち、災害に遭うということ、それを救うということの意 味について考えます。その道程で、人類の災害についての歴史、災害に遭った 人々の苦悩、PTSDという概念が生まれたいきさつ、児童虐待のこと、犯罪 被害者の心性などに関する数多くの文献や書物を読みこなされ、災害に遭い、 苦しむ人々の心理を理解するのに役立てようとし、そのエッセンスが本書でも 解説されています。
 しかし、清水さんの目指したのは、災害とはなにか、災害に遭った人を助け るにはどうあるべきかの提言です。自然災害と人為災害は区別できないという 視点を持たなくてはならないこと、衝撃的なトラウマを受けた人には、ゆっく りと時間をかけてトラウマを想起し、喪の作業に付き合い、トラウマを弱毒化 して、その人の生活史へ書き込むことの援助である、と述べています。
 また、清水さんは、私たち一般の市民に対する最も残虐な災害は戦争であり、 私たちは市民としての日常生活を維持するには、戦争を否定し、平和を維持す るよう発言し、行動していくことが不可欠であると説きます。そういう意志を 持った治療家のみが、災害のトラウマに苦しむ人々を救えると提言しているよ うに、私は読み取りました。
(評・村田豊久。「教育と医学」2007年1月号、p54〜55より抜粋)

* 以上の書籍『災害の心理』と、『老舗の訓 人づくり』(本誌1月号「折 々の1冊」で紹介)を各1名に、「教育と医学」2007年1月号を3名の方に、 アンケートに回答くださった方の中から抽選でプレゼントします。

* アンケートご記入はこちらからどうぞ。
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■慶應義塾大学出版会からのご案内

★新刊★
『高齢化社会と日本人の生き方 ―岐路に立つ現代中年のライフストーリー』
小倉 康嗣 著 定価5,880円
〈生き方としての学問〉へ――。
老いの季節を迎えんとする「団塊の世代」前後の現代中年と、30代でゲイでも ある研究者が、それぞれに社会と対峙した経験をたずさえ、出会って生成され る新たな人間存在の地平。

『現代語訳 童蒙おしえ草 ひびのおしえ』
福澤諭吉著 岩崎弘訳・解説
子どものこころに響くお話。福澤諭吉は、お話を通じてたくさんの「なぜ?」 に答えています。

その他新刊のお知らせ
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■メルマガ「教育と医学」のアンケート・読者プレゼント

アンケートをお送りくださった方の中から、『災害の心理』(上記「今月の本 棚」で紹介)と、『老舗の訓 人づくり』(本誌1月号「折々の1冊」のコー ナーで紹介)を各1名に、「教育と医学」2007年1月号を3名の方に、抽選で プレゼントします。 抽選の締め切りは、2007年1月20日(必着)です。当選 の発表は、発送をもって代えさせていただきます。ぜひ、ご意見・ご感想をお 寄せください。アンケート記入はこちらからどうぞ。
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■ 次回のメルマガ「教育と医学」配信は、1月29日を予定しています。

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■編集後記

▼昔は正月にみな一斉に1歳年齢が増えるということでしたので、一段と1年 の区切りの意味が強かっただろうなぁ…などと思いつつ、また新年を迎えます。 受験生にとっては正念場。実力が発揮できることを祈っています。また、メル マガ読者の方々、「教育と医学」購読くださった皆様、ありがとうございます。 これからもどうぞおつきあいいただきたく、お願いもうしあげます!!(編集 担当N)
▼今年も多くの方が小社ウェブサイトに訪問していただくことができました。 ありがとうございました。来年はより充実したサイトにしていきたいと考えて います。来年もよろしくお願いいたします。よい年になりますように。(シス テム担当K)
▼俸給生活をしていると一年が経つのが速いです。家では子どもが「のだめ」 にあわせて指揮棒(650円)を振り回しています。こんなことして暮らしてい たら一年が長いだろうと容易に想像できます。2007年問題で話題の団塊の人た ちの定年後は速いのでしょうか遅いのでしょうか。そういえば大学では2006年 問題が恐れられていましたが結局どうだったのでしょうか。毎年色々な問題が 提起されます。来年は少しはゆっくり過ごしたいですね。 来年も引き続き「教育と医学」をご愛読下さいますよう、よろしくお願いを申 し上げます。(営業担当O)
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