実 践 例
本書を授業で活用いただいている学校の取り組みを紹介していきます。
報告者:埼玉県立蕨高等学校 齋藤菊枝
◆はじめに □プリント(黄)を配る。名前を書いて下さい。 □今日のめあての確認①【めあて】を黒板に提示。
・・・今日は「ことばについて考える時間」です。私たちは当たり前に、ふだんは何げなくことばを使っているけれども、ことばって何だろうということをみんなと一緒に考えたいと思います。この時間の約束事として、一人一人が考えること、みんなで協力して考えることを守って下さい。
◆「ぼくが食べたいと思っているワニ」
□②【表現】を黒板に提示。 □これは、どんな意味ですか。 □指名…どんな内容を表しているか、小学生が説明する。 □③④【ぼくとワニの絵】を黒板に提示。 □1つの表現で2通りの意味をもっていますね。
◆「青い縞模様のシャツ」 □⑤【表現】を黒板に提示。 □これは、どんな意味ですか。どんなシャツを想像しますか。 □指名…小学生は、どんなシャツなのか、具体的に説明する。 □⑥⑦【シャツの絵】を黒板に提示。 □これも、1つの表現で2通りの意味をもっていますね。
◆「こわい目の( )」
□⑧【表現】を黒板に提示。 □かっこの中に単語を入れて意味の通る表現を作ってみましょう。 □プリントのA「かっこの中には、どんなことばがいるかな?」のところに書いてください。 いろいろ考えて下さいね。 □指名…小学生の答えの意味を確認しながら、2カ所分けて黒板に書く。 □ことばの選び方によって、3つのことばのまとまりが変わるね。 「ことばのまとまり」のことを「ことばの山を作る」とも言います。 □⑨⑩【「こわい目の」:山の絵】を黒板に提示。 □「青い縞模様のシャツ」も、こんな形の山になっていましたよ。 □⑪⑫【シャツ:山の絵】を黒板に提示。
◆時間に余裕があれば…
□プリントのB「3つのことばを組み合わせて、2通りの意味がある表現を作ってみよう」 とありますが、いろいろ考えて書いて下さいね。 □指名…小学生は自分の作品を発表する。
◆「図形」(カニッツアの三角形・ネッカーの立方体)
□⑬⑭【図形】を黒板に提示。どんなふうに見えますか。 □指名…小学生は図形を見て気づいたことを発表する。 □⑮⑯【図形】を黒板に提示。 □実際には三角形としての線が描かれていないが、三角形が見える。 □1つの図形なのに2つの見え方がある。 □「ことばの山」も、実際には見えないのに、人間は頭の中で山を作っている。 教えてもらったわけではないのに、みんなできるんですよ。。
9分
◆「かぶ(おおきなかぶ)」
□次は、CDを聴きます。英語と日本語が順番に出てきます。 どんなお話か、考えながら聴いて下さいね。 □【CD】を聴かせる。 □指名…小学生はお話のあらすじや登場人物を発表する。 □⑰【絵】を黒板に提示。こんなお話だったね。 □今度は単語ではなく、もっとおおきなまとまりで、文について考えてみましょう。 □プリント(白)を配る。 □この場面を(1)に書いてあるように、「おじいさんがかぶをひっぱって、 おばあさんがおじいさんをひっぱって、まごがおばあさんをひっぱって、 犬がまごをひっぱって、猫が犬をひっぱって、ねずみが猫をひっぱった。」 と表してもいいですよね。 □これは、「文を横に並べて」います。 □⑱-1【文の山:横並びの絵】を黒板に提示。 □さらに、ことばを付け足して、文をどんどん長くすることができます。 たとえば、「ひよこ」と「かえる」が、ねずみの後に続いてひっぱった としたら、「ねずみが猫をひっぱって、ひよこがねずみをひっぱって、 かえるがひよこをひっぱった。」と続けられますよね。 □⑱-2【文の山:横並びに付け足す絵】を黒板に提示。 □もう一つ、(2)に書いてあるように、「ねずみがひっぱった猫がひっぱった 犬がひっぱったまごがひっぱったおばあさんがひっぱったおじいさんがかぶをひっぱった。」 と表してもいいですよね。 □これは、「文の山を重ねて」表したものです。 □⑲-1【文の山:重ねた絵】を黒板に提示。 □これも、ことばを付け足して、文をどんどん長くすることができます。 たとえば、「かえるがひっぱった、ひよこががひっぱった、ねずみがひっぱった」 と続けられますよね。 □⑲-2【文の山:重ねて付け足す絵】を黒板に提示。 □「ことばには、まとまりがある」「ことばはつながったり、重なったりす」 ということを勉強しましたね。
◆みんなも作ってみよう。 □みんなもお話や詩を作ってみましょう。黄色いプリントに書いてください。 (1)の「文を横に並べる」やり方でもいいし、(2)の「文を重ねる」やり方でもいいですよ。 □指名…小学生は自分の作品を発表する。
◆感想を書こう □黄色いプリント(裏)に書いて下さい。 □指名…小学生は感想を発表する。
◆今日のまとめ □今日はみんなで協力して「ことばのふしぎ」について考えました。 □「ことばのふしぎ」というのは、「ことばのきまり」と言ったり、「ことばの学習」と 言ったりしている「ことばの性質」のことです。 □今日、みんなで勉強した「ことばの性質」は、「ことばのまとまり」と 「つながることば・重なることば」についてです。 □人間が使うことばは、日本語や英語、中国語、アラビア語、日本手話などたくさんありますが、 「ことばのまとまり」や「つながることば・重なることば」というのは、日本語以外のことばも 持っている性質です。 □みなさんはこれから外国語も学ぶと思いますが、そのときには、今日勉強した「ことばの性質」 を思い出してほしいし、ことばに対する関心をもち続けてほしいと思います。 □プリント(黄)だけを集めます。 □もう一枚のプリント(白)は持って帰って下さいね。
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