日本統治下台湾の「国語」普及運動
国語講習所の成立とその影響
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▼「日本語=国語」教育によって台湾は何を受容したのか?
台湾総督府による日本語教育は、1930年代以降、台湾各地に設けられた「国語講習所」によって飛躍的に普及した。 総督府がめざしたのは皇民化政策にともなう「日本人への同化」であったが、 実際には「国語講習所」に通うことは台湾人にとって「社会教育」の実利をも目的としたものでもあった。 日本の「国語」普及政策とその実態を文献調査とフィールドワークから明らかにしつつ、その意味を読み解く。
日本の教育史 教育史学会紀要 第60号(2017年)「書評」(p.156)に書評が掲載されました。評者は 北村嘉恵氏(北海道大学)です。
日本教育史研究 第36号(2017年8月)「書評」(p.131)に書評が掲載されました。評者は山本和行氏(天理大学)です。
図書新聞 2016年7月23日(3264号)「2016年上半期読書アンケート」に書評が掲載されました。評者は安田敏朗氏(近代日本言語史)です。
序 章 一 はじめに ―― 台湾社会における「国語」 二 「国語講習所」と「国語」概念 三 先行研究の検討 四 本書の概要と調査方法について 五 本書の構成
第一部 台湾総督府の国語普及政策 第1章 植民地台湾における国語普及政策の成立と展開 一 植民地における文教政策と国語普及政策 二 国語普及政策の確立 三 国語普及運動の開始とその展開 四 国語普及運動の強化 五 小 括
第2章 一九三〇年代初期 ……
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藤森 智子(ふじもり ともこ) 田園調布学園大学人間福祉学部准教授。 2002年慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。 主要業績:『日本語教育史論考第二輯』(共著、冬至書房、2011年)、「日本統治下台湾の『国語講習所』における社会的指導の実際―新竹州『関西庄国語講習所』日誌(1937)より」『植民地教育史研究年報』14号(2012年)、「1930年代国語講習所教科書《新国語教本》之分析」『台湾学研究』第11期(国立中央図書館台湾分館、2011年)、ほか。
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