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現代の事例から学ぶサイエンスコミュニケーション

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A5判/並製/352頁
初版年月日:2015/04/15
ISBN:978-4-7664-2203-0
(4-7664-2203-1)
Cコード:C3040
定価 5,280円(本体 4,800円)

現代の事例から学ぶサイエンスコミュニケーション
科学技術と社会とのかかわり,その課題とジレンマ
書評 目次 著者略歴

▼豊富な事例から学ぶ “実践的” 教科書

 いまや科学研究は学際融合して進み、関連する技術の成果は生活の中に浸み込み、社会のあるゆる場面に科学と技術が存在する。それに伴い、サイエンスコミュニケーションは社会のさまざまな領域に浸透し、それぞれの領域で具体的な課題を伴って顕在化してきている。
 本書は、科学技術と社会とのあいだのさまざまなコミュニケーションを現代の実例を通して学ぶ、サイエンスコミュニケーションの教科書である。テーマとして、学術研究、公共政策、科学教育、倫理、リスク、気候変動、公衆衛生、宗教などを取り上げ、全17章の中でメディア、公聴会、講演会、授業、博物館、ウェブなどの多様な場面におけるコミュニケーションの成功または失敗の事例を紹介する。各章においては、より深く学びたい人のために豊富な文献に加えて練習問題や研究課題を設けている。
 サイエンスコミュニケーションの多様性に悩み、その試行錯誤を行っているサイエンスコミュニケーター、研究者、学芸員、教員、リサーチアドミニストレーター(URA)、ジャーナリスト、広報担当者、さらにはサイエンスコミュニケーションの研究を志向している研究者、学生、教育者にとって、本書は必携の一冊となるであろう。

書評

サービソロジー(サービス学会発行) Vol. 4 No. 1(2017年4月)「書籍紹介」(p.32)に書評が紹介されました。評者は、小川義和氏(国立科学博物館)です。

目次

はじめに
序文
訳者まえがき
日本語版への序文

【第T部 サイエンスコミュニケーションのモデル ―― 理論から実践へ ――】

第1章 サイエンスコミュニケーションの「デザインアプローチ」にむけて
小川正賢〔工藤 充 訳〕
 1.1 はじめに
 1.2 サイエンスコミュニケーションという場を理解するための目下の取り組み
 1.3 省察:サイエンスコミュニケーションの本質について
 1.4 新しい枠組み:政策としてのサイエンスコミュニケーション ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

(※〔 〕内は担当章)
【編著者】
ジョン・K・ギルバート(John K. Gilbert) 〔序文,10章〕
レディング大学名誉教授,キングス・カレッジ・ロンドン客員教授。国際科学教育誌 International Journal of Science Education (IJSE)パート A 編集長および(スーザン・ストックルマイヤー氏とともに)IJSE パート B “Communication and Public Engagement” の共同編集者。化学の専門知識を背景に,概念発達,モデルとモデル化,可視化など,科学の学習に関するあらゆるテーマについて研究を進めてきた。最近,これらの研究領域と,すべての人々のためのインフォーマル教育を関連づけはじめたところである。

スーザン(またはスー)・ストックルマイヤー(Susan Stocklmayer AM) 〔序文,日本語版への序文,第2章,第11章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)所長,サイエンスコミュニケーション学教授。CPASはユネスコのサイエンスコミュニケーションセンターでもある。科学と公衆のインタフェースでの科学の学び,ジェンダー,多文化に関する問題をおもな研究テーマとしている。大学のアウトリーチ活動の一環として,世界の五大陸すべてにおいて,サイエンスショー,講義,ワークショップを行なっている。国際科学教育誌 International Journal of Science Education (IJSE) パート B “Communication and Public Engagement” の共同編集長。2004年オーストラリア勲章を授与された。

【著者】
小川正賢(Masakata Ogawa) 〔第1章〕
東京理科大学科学教育研究科研究科長,科学教育学教授。

スゼット・D・サール(Suzette D. Searle) 〔第3章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センターのポスドク。

ウィル・J・グラント(Will J. Grant) 〔第4章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)研究員,講師。

リンディ・A・オルティア(Lindy A. Orthia) 〔第5章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)講師。

クレイグ・トロンボ(Craig Trumbo) 〔第6章〕
コロラド州立大学ジャーナリズム・技術コミュニケーション学科教授。

モーリス・M・W・チェン(Maurice M. W. Cheng) 〔第7章〕
香港大学教育学部助教。

カーロック・ウォン(Ka Lok Wong) 〔第7章〕
香港大学教育学部教育コンサルタント。

アーサー・M・S・リー(Arthur M. S. Lee) 〔第7章〕
香港大学教育学部教育コンサルタント。

イダア・チーモ(Ida Ah Chee Mok) 〔第7章〕
香港大学教育学部准教授・副学部長。

ロッド・ランバーツ(Rod Lamberts) 〔第8章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)副所長。

マイケル・J・リース(Michael J. Reiss) 〔第9章〕
生物学者で教育者。ロンドン大学教育研究所の研究開発副部長兼科学教育教授,ロンドン科学学習センター主監など。

ショーン・ペレラ(Sean Perera) 〔第11章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)リサーチフェロー。

レオニー・J・レニー(Léonie J. Rennie) 〔第12章〕
カーティン大学科学数学センターの科学技術名誉教授およびウェスタンオーストラリア大学のサイエンスコミュニケーション非常勤研究教授。

ジャスティン・ディロン(Justin Dillon) 〔第13章〕
キングス・カレッジ・ロンドンの科学教育および環境教育教授,科学・技術教育グループリーダー。

マリー・ホブソン(Marie Hobson) 〔第13章〕
ロンドン科学博物館の上級来館者代表。

イウン・チュン・リー(Yeung Chung Lee) 〔第14章〕
香港教育研究所,科学・環境研究専攻准教授。

ジュリア・B・コベット(Julia B. Corbett) 〔第15章〕
米国ユタ大学コミュニケーション学部教授。

ヨナ・セレティ(Yonah Seleti)〔第16章〕
南アフリカ科学技術省人的資本および知識体系部門の参事官代理,国立地域固有知識体系局の責任者。

クリス・ブライアント(Chris Bryant AM) 〔第17章〕
1963年オーストラリア国立大学に着任し,動物学教授,理学部長,生物学科長を務める。

【監訳者】
小川 義和(おがわ よしかず) 〔監訳,訳者まえがき〕
国立科学博物館学習企画調整課長。筑波大学客員教授。博士(教育学)。アメリカ自然史博物館インターン,東京学芸大学大学院連合博士課程学校教育学研究科修了。専門はサイエンスコミュニケーション,科学教育,博物館教育。日本サイエンスコミュニケーション協会理事,日本科学教育学会編集委員,日本ミュージアムマネージメント学会理事,日本博物館協会編集委員。

加納 圭(かのう けい) 〔監訳,日本語版への序文,第3章〕
滋賀大学教育学部理科教育講座科学コミュニケーション研究室准教授。京都大学物質−細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)科学コミュニケーショングループ特任准教授。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了。専門は科学コミュニケーション論,政策のための科学。平成26 年度文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)受賞。一般社団法人社会対話技術研究所代表理事,科学コミュニケーション研究会発起人。

常見 俊直(つねみ としなお) 〔監訳,はじめに,序文,第2章,第7章〕
京都大学大学院理学研究科社会交流室講師。京都大学学際融合教育研究推進センター高大接続科学教育ユニット副ユニット長。博士(理学)。京都大学理学部卒業,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は「理学と社会交流」,原子核・素粒子物理学。特定非営利活動法人花山星空ネットワーク理事。

【訳者】
工藤 充(くどう・みつる) 〔第1章〕
京都大学物質−細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)科学コミュニケーショングループ特定研究員。学術博士(オーストラリア国立大学)。専門は科学技術社会論,サイエンスコミュニケーション。

仲矢史雄(なかや・ふみお) 〔第4章〕
大阪教育大学科学教育センター特任准教授。理学博士。東京工業大学大学院生命理工学研究科修了。専門は科学技術コミュニケーション,理科教育,海産無脊椎動物学,Bioenergetics。科学読物研究会編集部員。

高梨直紘(たかなし・なおひろ) 〔第5章〕
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室特任准教授。博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修了。国立天文台広報普及員,ハワイ観測所研究員,東京大学生産技術研究所特任助教を経て現職。専門は光赤外天文学および天文学分野の科学コミュニケーション論。天文学普及プロジェクト「天プラ」代表,天文教育普及研究会副会長,科学コミュニケーション研究会運営メンバー。

田中幹人(たなか・みきひと) 〔第6章〕
早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース准教授。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科修了。専門は科学ジャーナリズム研究,メディア研究。一般社団法人サイエンス・メディア・センターリサーチマネージャー。平成23 年度科学技術政策研究所「科学技術への顕著な貢献」受賞。科学コミュニケーション研究会発起人。

赤坂亮太(あかさか・りょうた)〔第8章〕
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科KMD 研究所リサーチャー。修士(社会情報学)。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科単位取得退学。専門は情報法,法と科学技術,ロボット法。

北原和夫(きたはら・かずお) 〔第9章〕
東京理科大学大学院科学教育研究科教授。

都築章子(つづき・あきこ) 〔第10章,第11章〕
特定非営利活動法人海の自然史研究所研究員。キングス・カレッジ・ロンドン大学院教育学研究科修士課程修了(科学教育学修士)。専門は科学教育。

渡辺千秋(わたなべ・ちあき) 〔第12章〕
国立科学博物館事業推進部学習企画・調整課に所属。Master of Arts in Museum Studies (博物館学修士)。レスター大学ミュージアムスタディーズ修士課程修了。専門は博物館教育。

西森年寿(にしもり・としひさ) 〔第13章〕
大阪大学大学院人間科学研究科臨床教育学講座教育工学研究分野准教授。大阪大学超域イノベーション博士課程プログラム兼任教員。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(人間科学)。メディア教育開発センター助手,東京大学客員准教授を経て現職。専門は教育工学。

標葉隆馬(しねは・りゅうま) 〔第14章〕
成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科専任講師。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了(生命文化学分野)。日本学術振興会特別研究員(DC2),総合研究大学院大学先導科学研究科「科学と社会」分野助教を経て現職。専門は科学技術社会論。科学技術社会論学会事務局幹事。

東島 仁(ひがしじま・じん) 〔第15章〕
信州大学医学部CITI JAPAN プロジェクト助教(特定雇用)。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了。専門は科学コミュニケーション,研究倫理,科学技術社会論。平成20 年度科学技術社会論学会柿内賢信記念賞受賞(奨励賞)。おもな訳書は『素粒子世界における事実と謎』(共訳,培風館,2007)。

吉田実久(よしだ・みく) 〔第16章〕
コペンハーゲン大学理学部科学教育研究科博士課程在学。修士(学際情報学)。国際基督教大学教養学部卒業,東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。専門は科学教育の文化研究,中等教育における教員の専門的成長。2011 年東アジア科学教育学会若手研究奨励賞受賞。日本科学教育学会国際交流委員会委員。

川本思心(かわもと・ししん) 〔第17章〕
北海道大学大学院理学研究院物理学部門科学史研究室准教授。北海道大学CoSTEP(高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門)併任。博士(理学)。北海道大学大学院理学研究院生物科学専攻博士課程修了。専門は科学技術コミュニケーション,科学技術社会論。

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