ファシズムとモダニズムの相互浸透を解き明かす
▼ホーフマンスタール、ゴットフリート・ベン、T.E.ヒューム、エズラ・パウンドといった、オーストリア、ドイツ、イギリスにおける20世紀初頭の代表的なモダニズム詩人をとりあげ、彼らの芸術運動の核心にある、(もっとも政治的イデオロギーと関連がないように思われる)「形式(ゲシュタルト)」に迫りながら、「芸術」と「政治」の多義的な関係を探る。
▼ファシズムとモダニズムの相互浸透を精緻に分析し、モダニズムの新しいイメージを追求する刺激的論考。
表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉 20 (表象文化論学会)の「新刊紹介」にて書評いただきました。(評者:鯖江秀樹氏) [本文はこちら]
田中純先生(東京大学大学院総合文化研究科教授)が、ご自身のブログ「Before- & Afterimages」に書評文を掲載してくださいました。 [本文はこちら]
序 章 モダニズムは反ファシズムか? 1 モダニズムとファシズムの概念 2 モダニズムの「形式」とファシズム
第一章 ホーフマンスタールと保守革命―― 形姿(ゲシュタルト)をめぐって 1 ホーフマンスタールと保守革命 2 保守革命とはなにか (1) 時代背景 / (2) その思想 / (3) ナチズムとの関係 3 保守革命と形姿(ゲシュタルト) 4 ホーフマンスタールにおける形姿(ゲシュタルト)の崩壊と再生 (1) 形姿(ゲシュタ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
石田 圭子(いしだ けいこ) 1969年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科専任講師。 お茶の水女子大学文教育学部外国文学科(英語・英文学)および東京藝術大学美術学部藝術学科卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程(美学専攻)修了・博士号取得。東京藝術大学、早稲田大学、実践女子大学の非常勤講師を経て現職。 専門は美学・藝術学・表象文化。美学会、表象文化学会、日仏哲学会、日本ドイツ学会会員。 主な業績に「<傷(トラウマ)>としての絵画?――アンゼルム・キーファーとナチスの記憶」(『ドイツ研究』44号、2010年)、「形姿(ゲシュタルト)と<芸術―政治共同体>」『批評理論と社会理論1:アイステーシス 叢書アレテイア13巻』(御茶の水書房、2011年)、「ゴットフリート・ベンとアルフレート・ボイムラー ――「占星術的」芸術観とナチズム」(『実践女子大学美学美術史学』26号、2012年)ほか。
|