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ファウストとホムンクルス

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四六判/上製/168頁
初版年月日:2009/09/15
ISBN:978-4-7664-1669-5
(4-7664-1669-4)
Cコード:C0097
定価 2,530円(本体 2,300円)

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ファウストとホムンクルス
ゲーテと近代の悪魔的速度
書評 目次 著者略歴

人造人間ホムンクルス、その誕生の秘密に迫る。
▼ゲーテ、不朽の名作『ファウスト』。その第2部に登場する人造人間ホムンクルスは、フラスコの中の人工生命体という「不完全」な形でこの世に産み落とされた。「完全」な人間になることを願って彷徨うホムンクルスの姿に、ゲーテは一体、どのような意味を込めたのか。
▼近代自然科学の発展にともない、神や神学支配からの解放が徐々に進んでいくなかで、ゲーテは自然科学の発展を評価し、自らも貢献したが、一方で、彼は自然の悪用に対して強い危惧を抱いてもいた。本書では、ゲーテ畢生の大作 『ファウスト』 等、後期3作品を解読し、近代の 「悪魔的速度」 や、人間の理性に潜む野蛮さ、暴力性に鋭い眼差しを向けたゲーテの思想の真髄をあきらかにする。

本書は、日本図書館協会選定図書です。

書評

週刊 文春 2012年4月19日号の「文春図書館 私の読書日記(立花隆氏)」(122頁)にて紹介されました。
読売新聞 2009年11月8日朝刊「読書」欄で紹介されました。

目次

ゲーテ、永遠の新しさ 訳者まえがきに代えて

序 章 もしくは ベルリン嫌いのゲーテ
第1章 「すべては悪魔的速度で」 ファウストと加速化の時代
第2章 ホムンクルス あるいはスピードダウンする時間
第3章 オッティーリエ 「悪魔的速度」の拒否
第4章 時間の停戦 ゲーテは預言者だったのか?
マックス・ベックマン画 『ホムンクルス』 ゲーテの超人類

  解題
  マックス・ベックマンと《ファウスト》素描   眞岩啓子
  訳者解説

  原註
  訳註

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

[著者]マンフレート・オステン(Manfred Osten)
ドイツの作家・批評家。元外交官、法律家。
1938年旧東独メクレンブルク州で生まれる。1952年ドイツ連邦共和国へ亡命。1969年ケルン大学で法学博士号(Dr. jur.)取得。同年ドイツ外務省に入省。以降、フランス、ハンガリー、オーストラリアのドイツ大使館勤務。1986−1992年、東京ドイツ大使館で文化・領事部長。この日本滞在を機に、大江健三郎、村上春樹、古井由吉など12名の日本人作家インタビュー集Die Erotik des Pfirsichs(Suhrkamp, 1996)[邦訳、大杉洋訳『日本の現代作家12人の横顔――桃の実のエロス』鳥影社、2008年]を刊行。1993年日本政府から旭日章受章。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団前事務総長(1995-2004)。ゲーテに関する著作をはじめ、現在も精力的に執筆を行っている。

[訳者]石原あえか(いしはら あえか)
慶應義塾大学商学部教授。
哲学博士(Dr.phil. ケルン大学)。著書に、Makarie und das Weltall (Köln 1998), Goethes Buch der Natur (Würzburg 2005)のほか、ゲーテと近代自然科学を中心とした学術論文を発表し続けている。訳書に、ハンス・ヨアヒム・クロイツァー著『ファウスト 神話と音楽』(慶應義塾大学出版会、2007年)、編著に『生命を見る・観る・診る 生命の教養学III』(中島陽子氏と共編、慶應義塾大学出版会、2007年)。ドイツ学術交流会Jacob-und-Wilhelm-Grimm-Förderpreis(2005)、日本独文学会賞(ドイツ語論文部門、2006)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞(FY2006)を受賞。

定価2,530円 (本体:2,300円)
品切・重版未定
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