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目次
南方熊楠のロンドン
A5判/上製/296頁
初版年月日:2020/02/20
ISBN:
978-4-7664-2650-2
 
(4-7664-2650-9)
Cコード:C3039
税込価格:4,400円
南方熊楠のロンドン
国際学術雑誌と近代科学の進歩

目次

序 章 雑誌の国の熊楠――英文論文三七六篇の意義と価値
 1 膨大で手つかずの英文論文
 2 英文論文から見えてくるもの
 3 これまでの研究
 4 研究者なのか、インフォーマントなのか
 5 アマチュアとプロの学問空間
 6 雑誌という世界


 第T部 『ネイチャー』――近代科学を支えた雑誌という装置

第1章 ロンドンでの二つの「転換」――なぜ植物学から離れたのか
 1 研究のスタート
 2 植物学との出会い
 3 アメリカ時代の植物学
 4 ロンドンでの植物学
 5 大英博物館へ
 6 書籍の収集
 おわりに

第2章 「東洋の星座」に秘められた戦略――古天文学と比較民族学
 1 『ネイチャー』における熊楠の位置づけ
 2 「東洋の星座」の伝説
 3 『ネイチャー』と熊楠
 4 『ネイチャー』の誌面構成
 5 自由で開放的な議論のネットワーク
 6 『ネイチャー』における天文学
 おわりに

第3章 一九世紀末の『ネイチャー』を読む――先端科学と科学啓蒙のあいだ
 1 『ネイチャー』第四八巻
 2 『ネイチャー』第四八巻の投稿欄
 3 質疑応答と議論
 4 熊楠の論文における応答関係
 おわりに

第4章 東洋への関心――日本、中国、インド
 1 「動物の保護色に関する中国人の先駆的観察」
 2 『ネイチャー』における東洋
 3 日本への関心
 4 インド、中国への関心
 5 初期日本人の投稿
 6 インドのカンハイヤラル
 おわりに

第5章 東洋の情報提供者から世界の探求者へ――そして熊楠の挫折
 1 「東洋の専門家」からの変化
 2 「マンドレイク」
 3 ロスマ論争とシュレーゲル
 4 比較文化の時代
 5 熊楠の東西比較

第6章 『ネイチャー』からの撤退――変容する雑誌空間
 1 熊楠の帰国と、帰国後の投稿
 2 那智隠棲期以降
 3 最後の投稿「古代の開頭手術」
 4 熊楠にとっての『ネイチャー』


 第U部 『ノーツ・アンド・クエリーズ』
 ――ローカルな知とグローバルな知の接合・衝突する場

第7章 熊楠と『ノーツ・アンド・クエリーズ』――三四年間の投稿生活
 1 熊楠と『N&Q』
 2 『N&Q』への初投稿
 3 「神跡考」ほか

第8章 質疑応答するアマチュア知識人たち――『ノーツ・アンド・クエリーズ』という世界
 1 『N&Q』の創刊
 2 誌面構成と投稿者たち
 3 世界各地に広がった『N&Q』
 4 熊楠の投稿
 5 『N&Q』と日本民俗学の創始
 おわりに

第9章 辞書の黄金時代――『オクスフォード英語大辞典』『エンサイクロペディア・ブリタニカ』を生みだした場所
 1 大辞書、大事典の誕生
 2 オビチュアリ
 3 『オクスフォード英語大辞典』
 4 マレーと『N&Q』
 5 『N&Q』投稿者と『OED』
 6 『イギリス人名事典』と『エンサイクロペディア・ブリタニカ』
 7 大辞書、大事典の世界から見えてくるもの

第10章 『ノーツ・アンド・クエリーズ』的空間の世界展開――人文科学者たちの見はてぬ夢
 1 『フラヘン・エン・メデデーリンゲン』
 2 熊楠への寄稿依頼
 3 「妻の腹に羊を描いた男」
 4 『フラヘン』と『N&Q』
 5 『N&Q』から派生した雑誌群
 おわりに

第11章 熊楠は『ノーツ・アンド・クエリーズ』をいかに利用したか――論文執筆の目的
 1 『N&Q』におけるクエリー
 2 熊楠のクエリー
 3 熊楠へのリプライ
 4 邦文論文との関係
 5 リプライの邦文論文への利用
 おわりに

第12章 熊楠の西洋世界への貢献――その英文論文はいかに利用されたか
 1 『N&Q』におけるクエリーの位置づけ
 2 ダグラス・オーウェンと「丸」 
 3 ポストゲイト「戦争における野生動物の使用」
 4 アッカーマン『ポピュラー・ファラシーズ』
 おわりに

終 章 国際的知的空間における熊楠の役割と価値――新しい熊楠像へ
 1 熊楠の英文論文
 2 アマチュアが支えたイギリスの科学
 3 週刊誌と科学の進歩
 4 雑誌と科学
 5 熊楠が国際学術空間ではたした役割
 6 研究者とインフォーマント
 7 英文論文から見える熊楠像
 8 熊楠の論文の目的


 注
 あとがき
 索引
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