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目次
スペイン語の世界
四六判/並製/266頁
初版年月日:2018/07/20
ISBN:
978-4-7664-2533-8
 
(4-7664-2533-2)
Cコード:C0087
税込価格:1,760円
スペイン語の世界

目次

はじめに

T スペイン語の歴史
1 スペイン語の系統
2 スペイン語の誕生
  ラテン語以前の言語状況(〜前3世紀)
  古代ローマ帝国のラテン語(前3世紀〜5世紀)
  俗ラテン語の実態を知る手掛かり
  西ゴート時代(5世紀〜7世紀)
  イスラム時代(8世紀〜15世紀)
  モサラベ語
3 中世スペイン語
  スペイン語の発祥(10〜11世紀)
  俗語文学の確立(13世紀)
  俗語文体の洗練(14〜15世紀)
4 スペイン語の変容と確立
  ネブリハの登場
  カスティーリャ語への自信――俗語擁護論の展開(16世紀)
  言語研究を促進したロペス・マデラの「原始カスティーリャ語」説
  スペイン語の絶頂期(17世紀)
5 スペイン語のグローバル化
  啓蒙主義と王立言語アカデミー(18世紀〜19世紀)
  スペイン語単一主義から多言語主義へ(20〜21世紀)
  グローバル時代のスペイン語
  COLUMN 01 統計でみるスペイン語
  COLUMN 02 イベリア半島の諸言語
  COLUMN 03 なぜirはvoy, vas, va ... と活用するのか?
  COLUMN 04 中世に大流行した語尾脱落
  COLUMN 05 Ñはコスト削減が生んだ合理的文字
  COLUMN 06 なぜcon+míはconmigoになるのか?
  COLUMN 07 なぜ“*Le lo doy.”と言えないのか
  COLUMN 08 seの多機能は近世以降
  COLUMN 09 スペイン語ならではのことわざ・慣用句

U スペイン語の広がり
1 大西洋を越えたスペイン語
  開始は1492年
  2人称単数túとvosの分布はなぜ?
  アンダルシア方言との類似性
2 スペインとラテンアメリカにおける語彙の違い
  ラテンアメリカ特有の語彙
  なぜ語彙が異なるのか?
  ブエノスアイレスのルンファンド
  アメリカ先住民語発祥の語彙
3 スペイン語と非−スペイン語との混成言語
  ウルグアイのポルトニョール
  フロンテリーソ(スペイン語×ポルトガル語)
  米国のスパングリッシュ(スペイン語×英語)
  小アンティル諸島のパピアメント(スペイン語/ポルトガル語×オランダ語×アフリカ系言
  語)
  フィリピンのチャバカーノ(スペイン語×タガログ語/セブアノ語)
  COLUMN 10 地名が語る征服者の思い
  COLUMN 11 ユダヤ・スペイン語

V 意外な語源さまざま
Adolescente「青年」/Adulto「大人」――実は同一語の現在分詞と過去分詞
Alumno/-a「生徒」――元は「養子」だった
Cada「それぞれの」――起源はギリシア語の前置詞
Café「コーヒー」――セルバンテスの知らない語彙
Castigar「罰する」――中世においては「教える」と同義だった
Deber「〜しなければならない、〜にちがいない」――英語のdue, duty, debtの遠い親戚
Encantar「大好きである」――歌は神との交信だった
Equilibrio「平衡、バランス」――equi-, ecu-は「同じ」を意味する形態素
Este/Esta/Esto「これ、この」――元は「それ、その」だった
Guerra「戦争」――軍事用語の多くはゲルマン起源
Hasta「〜まで」――珍しいアラビア語起源の機能語
Hermano/Hermana「兄弟/姉妹」――元は「生粋の」を意味する形容詞だった
Hermoso「美しい」――国名の「台湾」と同じ語源の形容詞
Huésped「宿泊客」/Hueste「軍勢」――「客」と「敵」は紙一重
Juego「ゲーム、競技、賭博」――元は「悪戯」だった
Lindo「かわいい」――mujer lindaとは「正妻」のことだった
Llegar「到着する」――英語arriveとの意外な接点
Llevar「持って行く、運ぶ、着ている」――まず活用形ありきの不定詞llevar
Mirar「見る」――本来は「驚く」だった
Muy「とても」――実はmuchoの語尾脱落形
Nada「何も〜ない」/Nadie「誰も〜ない」――起源においては否定語と無関係だった
Naranja「オレンジ」――英語のorangeと語源は同じ
¡Ojalá!「どうか〜でありますように」――元はイスラムの習慣
Pagar「支払う」――必ずしも金銭取引とは関係なかった
Pensar「思う、考える」――通貨単位ペソ(peso)と兄弟語
Pueblo「町」/Ciudad「都市」――英語peopleと同一起源のpueblo
Querer「欲する、愛する」――cuestiónは本来quererの名詞形
Señor「〜氏、紳士」――元は「年長者」を意味する比較級
Ser「(永続的に)〜である」/Estar「(一時的に)〜である、居る、有る」――「永続的vs一時的」という対立の源は「安定vs不安定」
Semana「週」――元は「7つの朝」という複合語だった
Siesta「シエスタ、昼寝」――元は単なる序数詞
Trabajo「仕事」――実は英語travelと同じ語源
Usted「あなた」――ustedだけが敬語ではなかった

W スペイン語文学の多様な世界
1 スペイン文学の始まり――中世の叙事詩とキリスト教文学
  最古のスペイン文学 『わがシッドの歌』
  俗語で書かれた文学――教養派文芸
2 黄金世紀の文学(16〜17世紀)
  ルネサンスの新ジャンル――対話文学と小説
  近代小説の創始者セルバンテス
  演劇
  奇想主義と誇飾主義
3 近代のスペイン文学(18〜19世紀)
  啓蒙主義の時代
  ロマン主義文学
  写実主義・自然主義文学
4 スペインの現代文学(20世紀以降)
  98年の世代
  20世紀初期の詩・戯曲
  20世紀スペイン最大の思想家オルテガ
  スペイン内戦直後の文学
5 ラテンアメリカの文学
  ラテンアメリカ文学の始まり
  魔術的リアリズム
  メキシコ――ルルフォ、フエンテス、パス
  カリブ・中米――アストゥリアス、カルペンティエル、カブレラ = インファンテ
  コロンビア・ペルー――ガルシア = マルケス、アルゲダス、バルガス = リョサ
  チリ――ドノソ、アジェンデ、ボラーニョ
  アルゼンチン――ビオイ = カサレス、コルタサル、ボルヘス
  COLUMN 12 アンデルセンに連なるスペイン中世文学―― 『ルカノール伯爵』
  COLUMN 13 黄金世紀の女流作家サンタ・テレサ
  COLUMN 14 なぜ一般庶民は 『ドン・キホーテ』 を楽しめたのか?
  COLUMN 15 ガルドスの 『マリアネラ』 ――視力を回復したがための不幸
  COLUMN 16 スペイン語で書かれたフィリピン文学
  COLUMN 17 アンダルシア方言の文学
  COLUMN 18 フエンテスを通して読むメキシコ語法
  COLUMN 19 キューバ語法満載のカブレラ = インファンテ
  COLUMN 20 バルガス = リョサから読み取るペルー語法
  COLUMN 21 コルタサルにみるアルゼンチン語法


おわりに
付録1 ラテン語からスペイン語への音韻変化法則
付録2 スペイン語史・文学史年表

文献案内
参考文献
索引(事項・人名・地名)
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