漱石の書斎
外国文学へのまなざし 共鳴する孤独
はじめに
第一章 漱石文庫をたずねて――蔵書は語る T 「漱石山房」から「漱石文庫」へ U 「漱石文庫」と「狩野文庫」 V 漱石の愛蔵書
第二章 英学から英文学へ――漱石の修業時代 T 六ペンス叢書の伝説 U 英語との出会い V 漢学塾から英学塾へ W 英文学への道
第三章 奇人たちの饗宴 ――『吾輩は猫である』とピーコックの〈談話小説〉 T 〈写生文〉から〈長篇小説〉へ――『猫』の変容 U ピーコックと漱石 V 〈談話小説〉(ノベル・オブ・トーク) W 『クロチェット城』 X ピーコックの周辺
第四章 ロンドンの異邦人たち――漱石・カーライル・シャープ T 「カーライル博物館」の材源 U 『文学地誌』とウィリアム・シャープ V 異邦人たち
第五章 江藤淳『漱石とアーサー王伝説』の虚構と真実 ――死者を愛し続ける男の物語 T 〈学術論文〉という〈暗号〉 U 「言葉の世界」と「不在の世界」 V 〈物語〉の完成
第六章 『三四郎』とブラウニング ――「ストレイシープ」と「ダーターフアブラ」をめぐって T 「ストレイシープ」の出典 U 漱石のブラウニング体験 V 「炉辺にて」と「ストレイシープ」 W 「騎馬像と胸像」と「ダーターフアブラ」 X 引用と象徴
第七章 《趣味の審判者》(アービター・エレガンシアルム)の系譜――ペトロニウスから代助まで T 「arbiter elegantiarum」(アービター・エレガンシアルム)の出典 U 『ドリアン・グレイの肖像』――世紀末の耽美家 V 『グリル・グレッジ』――恋におちた快楽主義者(エピキユリアン) W 『クオ・ヴァディス』――影響の種々相
第八章 『行人』とヴァルター・カレ――共鳴する孤独 T 『行人』の「独逸(ドイツ)の諺(ことわざ)」 U ヴァルター・カレ V 詩句の用例と異同 W カレからケーラー、そして漱石へ X 共鳴する〈孤独〉
あとがき 参考文献 索引
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