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目次
意志薄弱の文学史
A5判/上製/456頁
初版年月日:2016/10/15
ISBN:
978-4-7664-2366-2
 
(4-7664-2366-6)
Cコード:C0095
税込価格:4,180円
意志薄弱の文学史
日本現代文学の起源

目次

 序 章 「曖昧未了」から「意志薄弱」まで

第一部

 第一章 運動する写生 ―― 正岡子規と映画の論理
  一 「起源」としての一八九六年
  二 活動写真の時代
  三 「写生」の二面性
  四 「活動」の原理
  五 「曖昧未了」の美学 ―― 余韻から運動へ
  六 写生的認識とモンタージュ
  七 夢の〈推移〉の理論へ

 第二章 催眠、あるいは脳貧血の系譜 ―― 夏目漱石から志賀直哉へ
  一 催眠術言説の成立
  二 漱石文学と催眠現象 ―― 〈夢見〉る心地
  三 「さびしさ」という方法 ―― 国木田独歩の感化
  四 志賀直哉の「さびしさ」へ
  五 悲喜劇の構造 ―― 「鳥尾の病気」論
  六 病と熱情のサロメ ―― シンボリズムとしての神経衰弱
  七 脳貧血の美学 ―― 文学による「心の自由」を求めて
  八 「風流」論へ
 
 第三章 〈気づき〉の神秘主義 ―― 内田百閧ニ夢小説
  一 「気づく」ことのテーマ性
  二 既視のメカニズム
  三 漱石という端緒
  四 媒介項としての志賀直哉
  五 「崇高」と「美」のはざまに
  六 「ぼんやり」から「はっきり」へ ―― 「冥途」論
  七 佐藤春夫「西班牙犬の家」の夢空間
  八 照応する「城の崎にて」 ―― 夢の軌道
  九 「新感覚」の先へ

第二部

 第四章 発声映画(トーキー)の時代 ―― 横光利一の〈四次元小説〉論
  一 昭和文学への転換 ―― 「新感覚」のパラダイム
  二 〈超‐現実〉の心理 ―― 「曖昧」の「朦朧」からの脱離
  三 トーキーの思想圏 ―― 発声という革命
  四 矛盾的同一体としてのトーキー
  五 有声を支える四次元
  六 小説の「連絡体」としての四次元
  七 偶然性と倫理 ―― プロトタイプとしての『寝園』
  八 「純粋小説」における恋愛の意味
  九 「懐疑」と「会議」 ―― 『家族会議』における〈幸福〉への決意

 第五章 一九六三年の分脈 ―― 大江健三郎と川端康成
  一 「曖昧」から「あいまい」への受け渡し
  二 サルトルの「想像力」
  三 「空の怪物アグイー」論 ―― 空の夢、あるいは映画の空
  四 川端康成の何が「あいまい」なのか
  五 虚無を解消する方法 ―― 「片腕」論
  六 「あいまい」の行方

 終 章 「意志」をめぐる攻防

  あとがき
  文献一覧
  人名索引
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