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目次
現代インドのカーストと不可触民
A5判/上製/288頁
初版年月日:2015/11/30
ISBN:
978-4-7664-2282-5
 
(4-7664-2282-1)
Cコード:C3036
税込価格:6,600円
現代インドのカーストと不可触民
都市下層民のエスノグラフィー

目次

第1章 カースト、不可触民差別は過去のものか?
 1 社会的現実としてのカースト
 2 清掃カーストに関する研究の成果と課題
 (1) カーストとは何か
 (2) カースト研究の三つのアプローチ
 (3) 不可触民(ダリト)研究
 (4) 清掃カースト研究
 3 カースト、不可触民問題の現代的特質と本研究の視座
 4 本書の構成

第2章 デリーの横顔
 1 デリーの概観
 (1) デリーの地理的特徴
 (2) デリーの指定カースト
 2 「バールミーキ」の名のもとに結集するデリーの清掃カースト
 3 外国人女性の参与観察者

第3章 清掃カーストとされる人びと
 1 不可触民の起源
 2 「不可触民」から「指定カースト」への制度化
 3 指定カーストの地域的広がり
 4 不可触民のなかの清掃カースト
 (1) 清掃カーストの起源
 (2) 清掃カーストの名称と代表的なカースト
 (3) 清掃カーストの「伝統的」職種
 5 発展から取り残される清掃カースト
 ―― デリーの国勢調査にみる指定カーストの内的格差
 (1) 教育
 (2) 「伝統的」職種とのつながり ―― 清掃と皮なめしの比較

第4章 カースト制批判と不可触民解放をめぐる思想と政策
―― ガーンディー、ガーンディー主義者による清掃カースト問題の「解決」
 1 不可触民解放の思想と運動の展開
 (1) ヒンドゥー教内部の改革運動
 (2) 脱ヒンドゥー教的価値観を志向する運動
 2 カースト制批判と不可触民解放をめぐるガーンディーとアンベードカルの対立
 3 ガーンディー主義者による清掃カーストの問題「解決」 ―― NGOスラブの活動
 (1) インドの開発NGOとガーンディー主義
 (2) 清掃カーストの福祉政策にみる政府とNGOスラブの「共生」
 (3) スラブの活動分析
 4 福祉政策における清掃カーストの「解放」の問題
 (1) SC政策の時代的特徴 ―― 独立以降から1990年代の経済自由化導入まで
 (2) 清掃カーストを対象とする政策の概要
 (3) 清掃カーストを対象とする政策の進展状況とその問題
 (4) 福祉政策における清掃カーストの「解放」に関する批判的考察

第5章 バールミーキ住民の社会経済的状況
 1 デリーに住む ―― 物価高騰と住宅不足
 2 調査地区(コロニー)の概況
 3 バールミーキ住民の基本情報
 (1) 宗教
 (2) 教育
 (3) 世帯規模
 (4) カースト内婚
 (5)移住歴
 4 清掃労働の非正規化と「女性化」

第6章 清掃カースト出身者の内なる葛藤と抵抗のかたち
 1 ダリト性(dalitness)への接近
 2 働く ―― 清掃労働への恥じらい
 3 学ぶ ―― 出自を知る、留保制度を足がかりにして
 4 ロール・モデル意識の生成
 5 結ばれる ―― 高学歴バールミーキのカップル
 6 祈る ―― ヴァールミーキ詩聖崇拝にみる共属意識のゆらぎ
 (1) バールミーキ・アイデンティティの展開
 (2) ガーンディー、大財閥ビルラーとデリーのヴァールミーキ詩聖寺院
 (3) 寺院の「歴史」認識
 (4) 詩聖崇拝をめぐるカースト内の対立

第7章 清掃カーストの組織化と運動
―― 清掃労働者組合から公益訴訟へ(1960年代―2010年代)
 1 はじめに ―― 「エリート」の登場と拡散するダリト運動
 2 運動体としてのカースト団体
 3 清掃カーストの組織化とその変遷
 (1) 清掃労働者の結集(1960年代)
 (2) カリスマ的指導者の登場による会議派と蜜月期、アンベードカル生誕百年祭(1970年代
 ―90年代初頭)
 (3) 清掃労働者会議の分裂、運動の多様化(1990年代半ば―2010年代)
 4 運動としての訴訟の始まり ―― 社会正義の実現手段として注目される公益訴訟
 (1) 人権侵害を告発する事例
 (2) 指定カースト留保政策の改正を求める事例
 5 おわりに ―― 突破口としての司法の可能性と課題

第8章 バールミーキの困難と挑戦のゆくえ
 1 各章の論点とその成果のまとめ
 2 本研究の含意と残された課題

おわりに

参考文献
図表・写真一覧
索 引
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