人文・社会科学のための研究倫理ガイドブック
まえがき
序章 今、なぜ研究倫理なのか 1 はじめに 2 研究とそれを取り巻く現代的状況 3 「研究」、「倫理」、「研究倫理」 4 研究不正 5 研究不正とグレーゾーン問題 6 研究倫理の射程 7 研究倫理をめぐる2つの誤解@ ―― 研究倫理は単なるコンプライアンス 8 研究倫理をめぐる2つの誤解A ―― 研究倫理は難しい学術研究 9 専門職倫理としての研究(者)倫理 10 専門職の倫理綱領と3つの倫理モデル 11 研究者の徳目 12 倫理テスト (1) 専門職テスト (2) 普遍化可能性テスト (3) 危害防止テスト (4) 公開可能性テスト 13 倫理テストの使い方 14 倫理テストの予行演習 15 研究倫理はなぜ必要か 16 なぜ、研究倫理か?
第1章 研究方法に関する倫理問題 ▽話し合ってみよう▲ 1 文献研究 2 歴史的価値を持つ資料を扱う研究 3 人間を対象とした研究 ―― 信頼関係と成果の還元 4 人権の尊重とインフォームド・コンセント 5 領域横断的な研究プロジェクトの場合 6 残された論点 ―― 倫理綱領で網羅できない問題としての研究倫理 7 結論
◇◆研究方法別 Column ◆◇ @ 文献研究 A インタビュー調査 B フィールドワーク C アクションリサーチ D 社会調査 E 実験
第2章 研究計画・遂行・成果発表に関する倫理問題 ▽話し合ってみよう▲ 1 はじめに 2 研究上の不正行為をめぐる状況 (1) 不正行為はわずかか? (2) 不正行為を誘う要因や誘惑の増加 (3) 理想と現実の乖離 (4) 科学研究の商業化 3 研究活動の現実 (1) 明らかな不正行為と理想的な研究行為 (2) 責任ある研究活動 (3) 好ましくない研究活動 4 研究行為のマネジメントに関する具体的問題 (1) 計画段階の問題 (2) 実行段階の問題 5 おわりに
第3章 研究における不正行為 ▽話し合ってみよう▲ 1 はじめに 2 研究不正とは? (1) 「捏造」、「改ざん」、「盗用」 (2) 「オーサーシップ」 (3) 「二重投稿」 (4) 「研究費の流用」 3 研究不正の背景 4 人文・社会科学系研究における研究不正の特徴 5 人文・社会科学系研究における研究不正予防のために 6 おわりに
第4章 指導教員・研究機関の責任 ▽話し合ってみよう▲ 1 はじめに 2 研究環境の問題領域 3 組織倫理の一般的問題 4 管理職の課題 (1) ミッションの明確化と倫理規範 (2) 目標設定 (3) インセンティブ制度 (4) 雇用 (5) 研究管理 (6) 教育訓練 5 指導教員の課題 (1) 目標設定とインセンティブ (2) 研究管理と教育訓練
第5章 研究者の社会的責任 ▽話し合ってみよう▲ 1 はじめに 2 研究者の社会的責任とは 3 学会ジェンダー問題 4 時事問題への対応 5 通俗化と相互批判 ―― 脳ブームの事例 6 専門性の否定と市民の知
第6章 行政・社会のあり方と研究者の倫理 ▽話し合ってみよう▲ 1 文部科学省による研究不正ガイドライン (1) ある専門調査員による総評 (2) 科学研究の社会的基盤 (3) 研究の独立性と自律性 (4) 研究不正対応の二つの方向性 (5) 研究不正の通報 (6) ウェブ上での研究不正の告発 (7) 研究倫理教育の支援 (8) 研究者コミュニティと行政の立ち位置 (9) 不正への取り組みのオープンネス 2 研究不正をめぐる社会と行政の応酬 ―― 新ガイドラインに対するパブリックコメントより (1) 研究者・研究機関の負担 (2) 不正防止強化と厳罰化 (3) 調査・措置の公正さ (4) ウェブ上の情報の扱い (5) 不正が誘発される環境の改善 3 研究不正が起こる背景という争点 (1) 新旧ガイドラインの相違点 (2) 研究不正と教育行政に関する社会からの眼差し
☆★分野別 Column ☆★ 1 人文・社会科学系研究者とジェンダー問題 2 地域研究における非民主主義体制研究と研究倫理 3 経済学を用いた政策提言について 4 ジャーナリズム研究と二次被害 5 法学研究における研究倫理
付録◆人文・社会科学系における研究不正の事例
あとがき 索引
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