序　―　本書のねらいと概要

　　第一部　政治構想

第一章　議会論
　一、議会との出会いと英国議会の評価
　二、『文明論之概略』における議会論と民会論
　三、民会重視論の展開
　四、民会活性化、府県会規則から国会開設論へ
　五、府県会と政府の現実

第二章　憲法論
　一、訳語としての「憲法」
　二、明治十四年の政変の「傷跡」
　三、『時事小言』における憲法論
　四、明治憲法の発布と帝国議会の開会
　五、官民調和の挫折と政治的無関心
　六、晩年の憲法論

第三章　天皇論
　一、福澤天皇論研究の課題
　二、構造と展開
　三、同時代における福澤天皇論の反響
　四、後の時代における福澤天皇論の反響―昭和戦前期を中心に
　五、福澤天皇論の「復活」

第四章　外交論
　一、福澤における「外交」
　二、初期著作における「外交」と「外国交際」
　三、「内安外競」への道
　四、時事評論における「外交」
　五、明治二十年代の「外交」論
　六、晩年の「外交」観と対外論の「一貫性」

　　第二部　人間観

第五章　華士族論 1 ―　その展開
　一、幕末維新期の政局観―「双刀を投棄」するまで
　二、華族論の形成
　三、華族論の展開
　四、士族論の形成
　五、士族論の展開
　六、議会開設後の華士族論

第六章　華士族論 2 ―　その反響
　一、華族批判と華族利用
　二、教育への投資と修学
　三、軍務への従事
　四、華族帰郷論
　五、その後の華族論―士族との関連において

第七章　宗教論
　一、「士人」と宗教
　二、福澤諭吉の宗教観
　三、大谷光瑩と福澤諭吉
　四、光瑩宛福澤書簡の内容
　五、転機としての授爵と寺務改革運動
　六、福澤の神道観

補章　明治政府との確執
　一、明治政府と福澤
　二、保安条例による福澤諭吉退去計画
　三、原時行宛岡本貞烋書簡
　四、情報戦と保安条約批判

資料　時事新報社説（福澤諭吉自筆原稿確認分）
主要参考文献
あとがき
索引