第1部　「歴史」と戦後日中関係
第1章　中国における「戦争責任二分論」の系譜
　　　　　―蔣介石・毛沢東・周恩来、日中戦争の語り方　　　家近亮子
　はじめに
　�T　戦後日本の「国体問題」をめぐる蔣介石・毛沢東・周恩来の認識
　�U　蔣介石・毛沢東における日本人民取り込み工作
　おわりに

第2章　中国の歴史教育と対外観（1949−2005）
　　　　―「教学大綱」と歴史教科書を中心に　　　王　雪萍
　はじめに
　�T　建国から社会主義建設期（1949−1959）―「米帝国主義を中心とする侵略陣営」
　�U　経済調整期（1960−1965）―米帝国主義とその追随国
　�V　文化大革命期（1966−1976）―歴史教育の停滞
　�W　文革後の改革・開放前期（1977−1989）―社会帝国主義のソ連と資本帝国主義の米国
　�X　天安門事件以降の近現代史教育と「国情教育」強化の時期（1990−1999）―世界列強からの侵略の強調
　�Y　「全球化」を志向し、全面発展を強調する「和諧社会」構築期（2000〜）―主要敵国の消失過程
　おわりに

第3章　中国政治と歴史解釈
　　　　　―「抗日戦争勝利60周年」における抗日戦争史観の転換　　　江藤名保子
　はじめに
　�T　「抗日戦争勝利60周年」の抗日戦争史研究
　�U　抗日戦争史観の変化とその政治要因
　おわりに

第4章　戦後初期日中関係における「断絶」の再検討（1958−1962）
　　　　　―「闘争支援」と「経済外交」の協奏をめぐって　大澤武司
　はじめに
　�T　断而不絶（断ずれども絶せず）―「人民外交」の挫折と「原則」の厳格化
　�U　敵乎友乎（敵か友か）―「人民外交」の調整と「官官離間」戦略の強化
　�V　騎虎難下（騎虎の勢い）―「原則」の溶解と「半官半民」の実現
　おわりに

第5章　中国の対外開放路線と日本（1976−1982）
　　　　　―対外開放論理の変容と日中関係の経済化　　　　兪　敏浩
　はじめに
　�T　ポスト文革期の現代化路線と「一条線」戦略
　�U　対外開放政策の調整と「一条線」論理の踏襲
　�V　「一条線」戦略の限界と対外開放論理の変容
　おわりに

第2部　中国外交の諸相
第6章　中国の対外政策におけるシンクタンクの実像
　　　　　―国際関係研究所の創設と発展を中心に　　杉浦康之
　はじめに
　�T　張聞天による中国外交の調査研究機能の整備と中国科学院国際関係研究所の創設
　�U　中国国際関係研究所の業務内容
　�V　国際関係研究所の発展とその限界―政策指導者層および国内政治との関係
　おわりに　

第7章　台湾問題をめぐる中ソ連関係（1954−1962）
　　　　　―「一つの中国」原則の形成におけるソ連要因　　　福田　円
　はじめに
　�T　「台湾解放」の後退（1954−55）
　�U　「台湾解放」から「一つの中国」へ（1956−58）
　�V　「一つの中国」をめぐる中ソ協力の形骸化（1959−62）
　おわりに

第8章　「核」にみる中印関係　　　　飯塚央子
　はじめに
　�T　中国の核開発とネルー時代（1949−1964）
　�U　中国の核実験とインドの「平和的核爆発」（1964−1974）
　�V　中国の「核」の変容とインドの「核保有国化」（1974−1998）
　おわりに

第9章　中国の対西欧諸国政策
　　　　　―1964年の中・西独政府間会談を中心に　　山影　統
　はじめに―1960年代前半の中国の対西欧政策
　�T　1960年代前半の中国の国際環境と外交政策
　�U　1964年以前の中・西独関係
　�V　対西欧諸国に対するメッセージ
　�W　中国の西ドイツ認識と会談のスタンス
　�X　中・西独会談とその中断
　おわりに

第10章　中国の地方経済の発展とグローバル経済
　　　　　　―中国自動車産業と地方政府の戦略的関係性　　　貴家勝宏
　はじめに
　�T　中国の地域経済開発戦略
　�U　地域格差と対外経済関係の発展
　�V　自動車産業政策と地域経済
　�W　外資系自動車メーカーと上海市
　�X　日系自動車メーカーと広州市
　�Y　政府・党・自動車産業間関係の変容
　おわりに

第11章 中国からみた米中戦略経済対話　　　　　　佐野淳也
　はじめに
　�T　中国が「米中戦略経済対話」に応じた背景
　�U　「米中戦略経済対話」の進展と中国側の対応の変化
　�V　オバマ政権との「米中戦略・経済対話」の推進
　�W　中国国内の評価と今後の展開
　おわりに

第12章　中国の国連PKO政策
　　　　　　―積極参与政策に転換した要因の分析　　　松田康博
　はじめに
　�T　国連PKOへの評価と対応の変遷
　�U　国連PKO積極参与へ政策転換
　�V　積極参与政策に転換した要因
　おわりに

索引