はしがき

はじめに
　（一）　出羽国上山から上京した青年
　（二）　政治の時代
　（三）　醒めた目

第一章　故郷における幼年時代
　（一）　母と祖母と
　（二）　小学校時代
　（三）　仙台の叔父
　（四）　新設の中等教育機関 東華学校

第二章　仙台東華学校時代
　（一）　東華学校のカリキュラム
　（二）　教職員と学費
　（三）　在学中のノート
　（四）　キリスト教の影響
　（五）　東京への進学
　（六）　東華学校の終焉

第三章　慶應義塾時代
　（一）　転換期の慶應義塾
　（二）　義塾のカリキュラム
　（三）　明治二六年正月の帰省
　（四）　政治への関心
　（五）　福沢諭吉への姿勢
　（六）　友人との交流
　（七）　在学中の健康と徴兵検査
　（八）　篤い望郷の念

第四章　上山帰省時代
　（一）　卒業と帰省
　（二）　郷里での生活
　（三）　不安の日々
　（四）　就職活動
　（五）　冬ごもり

第五章　逓信省鉄道局勤務時代
　（一）　郷里を出発
　（二）　初出勤で失望
　（三）　片桐牧師との再会
　（四）　日清戦争
　（五）　多忙な日常と精神的不安定

第六章　名古屋における銀行勤務時代
　（一）　実業界への出発
　（二）　日銀名古屋支店書記
　（三）　祖母の死
　（四）　名古屋で得た二つの宝―人生の先達と友人と―
　（五）　愛知銀行への転職
　（六）　平賀の配慮
　（七）　鴻池銀行名古屋支店の内部事情

第七章　藤本ビル・ブローカー勤務時代
　（一）　藤本ビル・ブローカーの起源
　（二）　｢ビル・ブローカー｣という新しい業種
　（三）　米山梅吉のビル・ブローカー論
　（四）　奥山の能力とそれに対する評価
　（五）　藤本清兵衛の事業拡大計画
　（六）　依願退職

第八章　浪人および商工会議所勤務時代
　（一）　真面目を発揮する杉野―バブル崩壊直前の大相場―
　（二）　大阪商業会議所書記・事務部長就任
　（三）　藤本ビル・ブローカー銀行の倒産

第九章　匿名組合ビル・ブローカー奥山商店の開業
　（一）　開業挨拶
　（二）　組合員と共同経営者たち
　（三）　奥山商店の背景にあるもの

第一〇章　奥山ビル・ブローカーの経営の発展
　（一）　順調な経営の発展
　（二）　起伏に富む経営の進展と第一次世界大戦
　（三）　大戦景気と新社屋の建設、個人営業の開始
　（四）　戦後恐慌と中間景気
　（五）　関東大震災と金融恐慌
　（六）　株式会社への組織変更

第一一章　家族生活と意見
　（一）　父親として
　（二）　財界人との幅広い交流
　（三）　社会公共事業への参加
　（四）　甲南学園への援助
　（五）　文化財への興味と政治への関心

第一二章　晩年の健康と終焉
　（一）　体調不良の自覚
　（二）　ゴルフ熱
　（三）　｢油断ヲ許サズ｣という診断
　（五）　終焉

おわりに
　（一）　周辺の人や自然に対する篤い想い
　（二）　柔軟な精神構造
　（三）　激動の時代とともに
　（四）　実業の世界に身を処した士流学者

あとがき

索引