No.1243(2020年4月号)
特集
No.1243(2020年4月号)
特集
三田評論
2020年4月号表紙
猖獗をきわめる新型コロナウイルスは、本号の準備段階では序の口だった。それでも国保祥子氏が特集「ジェンダー・ギャップに立ち向かう」の小論考末尾で、早くもウイルス対策に触れ、ジェンダー問題と絡めているのはさすが。「ジェンダー」のテーマは西澤直子氏の講演録(3月号に所載)が「予告」であり、今回大きな特集となって結実した。参加者全員が女性という座談会、執筆者5名中4名が女性という関連記事、何かジェンダー問題の「精霊」(杉田成道「『北の国から』40年に想う」)が降り立ったようだ。高橋孝雄氏の講演録結語「大人は母性の代弁者たれ」も凄い。ウイルスについて、諸国家の対応ぶりが瞬時に炙り出され、採点されてしまう現状は、世界経済フォーラムによる日本の「ジェンダー・ギャップ指数」が121位という不名誉な結果と奇跡のように響き合っている。日本人男性や日本の家庭構造の意識革命が今こそ問われているのだろう。
鷲見洋一
昨年発表された世界経済フォーラムで「ジェンダー・ギャップ指数」が前年の110位から121位に後退した衝撃は記憶に新しいところです。女性活躍が叫ばれながら、日本社会においては、なぜ取り組みが遅々として進まないのか。職場の問題に加え、家庭内の役割分担、また政治参加の領域に目を向けてみると、様々な要因が浮かび上がってきそうです。 座談会では慶應を卒業された代表的な女性経営者にお集まりいただきました。
後藤佐恵子さん
はごろもフーズ株式会社代表取締役社長
インタビュアー:片岡理恵子(弁護士・塾員)
創業家に生まれ、子どもの頃から社歌を口ずさんでいたという後藤さんが、昨秋、社長に就任しました。他の食品会社や大手コンサルタント会社を経て、ファミリービジネスの場に戻ってきた後藤さんは「持続可能性」「環境」「健康」「女性」を旗印にこれからのはごろもフーズをリードしていきます。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。