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The Cambrige Gazette


グローバル時代における知的武者修行を目指す若人に贈る
栗原航海(後悔)日誌@Harvard

『ケンブリッジ・ガゼット:Lessons Learned』

第10号(2007年3月)
 

 

■ 目次 ■

 

4. 編集後記

 「栗原後悔日誌@Harvard」3月号の本文は以上です。3月中旬、私は国際経済研究所(IIE)のアダム・ポーゼン氏や、ドイツ出身で国際通貨基金(IMF)のヨルグ・デクレッシン氏と共に日独経済について議論する予定です。米中経済とは対照的な形で、近年注目度が低かった日独両国について面白いと評価される知的対話を自らが楽しみつつ行うつもりです。さて、フランス料理の名シェフ、村上信夫氏が著した『帝国ホテル厨房物語 私の履歴書』を読み、平和と繁栄の時代に生まれた自らの幸運を噛み締めています。第2次世界大戦中、フランスの料理と言語で武者修行中だった村上氏は中国の済南で目を負傷されますが、手当した軍医が偶々眼科医であったという幸運に恵まれました。生死を別ける大混乱の戦場では、専門の医師に診てもらえて、更には適切な処置を受けられること自体が奇跡だったに違いありません。その奇跡のお蔭で、私達は、戦後、パリのリッツで修行を積まれた村上氏の美味しいフランス料理を頂戴することができました。The Gazette昨年1月号で触れた辻静雄氏を含む先人の努力で日本のフランス料理は世界で超一流となりましたが、そのお蔭もあってか日本料理の調理師達も良い刺激を受け、一層美味しく、また工夫のされた日本料理を創作できたことでしょう。こうした考えから私はグローバルな形で各々の長所を伸ばし合う世界を望んでやみません。

以上

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著者プロフィール:栗原潤 (くりはら・じゅん)
ハーバード大学ケネディスクール[行政大学院]シニア・フェロー[上席研究員]
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