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オリジナル連載 (2010年4月8日掲載)

時事新報史

(番外編)
4月からの再開に際して

 
 

























『福沢諭吉の出版事業 福沢屋諭吉』はこちらから 

『近代日本の中の交詢社』はこちらから 

 

ウェブ連載「時事新報史」は、『時事新報』の歩みを、平易な読み物として少しずつたどっていくことを目指して書き始めた。なにしろ時事新報は、福沢諭吉が創刊し、日本一の新聞といわれながら、未だに通史が存在せず、今日ではすっかり忘れ去られているのである。しかし、筆者の未熟さから、この2年ほど執筆が滞ってしまった。2010年4月より本格的に再開したい。

当面は福沢諭吉生前の時事新報史を完成させることを目標とする。この時期の時事新報を通して見ることができるようにするだけでも、研究には大きく資することができると思う。

その上で、福沢没後の時事新報史をたどることとしたいが、こちらは福沢生前のようにはいかず、少ない資料や発行紙面を使っての困難な道のりになることが予想される。最終的には、昭和11年(1936)の廃刊、そして戦争を挟んでの戦後の復活、再び廃刊し、休眠会社となるまでをたどりきれたなら、日本の新聞史、ひいては日本の近代を考えていく上で、多少の検討材料を加えることができるものと考えている。覚束ない足取りではあるが、引き続き温かい目でこの連載をのぞいて頂ければ幸いである。

なお、時事新報に関する資料は、まとまって現存しておらず、本当に乏しい。連載開始以来、資料収集に力を入れているが、時事新報に関する書類や手紙、写真、同社の関係者の資料、また同社の出版物や付録など、あらゆるものを継続的に探索・収集している。筆者の在籍する慶應義塾福沢研究センターにおいて、時事新報に関する資料群を閲覧に供することができる日が来ればと願ってのことである。資料に関する情報があれば、ぜひともご教示をお願いしたい。

 


   
著者プロフィール:都倉武之(とくら・たけゆき)
1979年生まれ。2007年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。 現在、慶應義塾福沢研究センター専任講師。
専攻は近代日本政治史。 主要業績に、「明治十三年・愛知県明大寺村天主教徒自葬事件」『近代日本研究』18号(2002年3月)、『福沢手帖』115号(2002年12月)、「資料 機密探偵報告書」『福沢諭吉年鑑』31巻(2004年12月)、「愛知県におけるキリスト教排撃運動と福沢諭吉」(一)・(二)『東海近代史研究』25・26巻(2004年3月・2005年3月)、「日清戦争軍資醵集運動と福沢諭吉」『戦前日本の政治と市民意識』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「福沢諭吉の朝鮮問題」(『福沢諭吉の思想と近代化構想』、慶應義塾大学出版会、2008年)など。
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