企業と人材 2010年10月号「新刊紹介」(79頁)で紹介されました。
『人事マネジメント』 2010年9月号「HB BOOKSHELF」(143頁)で紹介されました。
『週刊東洋経済』(2010年9月4日特大号)高田氏のインタビューをご覧いただけます。
Books&Trends『人脈のできる人』を書いた、高田朝子氏に聞く「一肌ぬげるかどうかが、人脈になる決め手」(P170)
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人脈のできる人――人は誰のために「一肌ぬぐ」のか?  リクルートワークス研究所所長 大久保幸夫氏よりひとこと 人脈づくりに必要なのは「マメなフォロー」でも「ギブ&テイク」でもなかった! 本書は人脈の「構造」を解き明かしている。老若男女を問わず、信頼できるビジネスパートナーをつくりたい人は、ここから重要なヒントを得られるだろう。  
 
   

 人脈のできる人 人は誰のために「一肌ぬぐ」のか? 高田 朝子 著

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人脈のできる人――人は誰のために「一肌ぬぐ」のか?

    
 
    
高田 朝子 著
    
四六判/並製/224頁
初版年月日:2010/08/19
ISBN:978-4-7664-1762-3
定価:1,890円
  
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ワタシ流を編み出そう



▼人脈とは何か、また、“役に立つ”人脈とは何か。外資系証券会社勤務を経て、現在ビジネススクールで教鞭をとる著者が「人脈」の構造を明らかにする。


▼ “デキる”ビジネスパーソンへの丁寧なインタビューをもとに、人脈作りのプロセスを徹底的に検証した。デキる人は人脈をどう意識しているのか。性格は魅力的なのか。アフターファイブのつきあいはいいのか。相談相手や情報収集場所にいたるまでを精緻に聞き取り、分析した。これまでのハウツー本になかった「人脈づくり」の根本的な答えを提示する。

  ■書評・インタビューなど
  2010/10/1      企業と人材 2010年10月号「新刊紹介」(79頁)で紹介されました。

  2010/9/6      『人事マネジメント』 2010年9月号「HB BOOKSHELF」(143頁)で紹介されました。

  2010/8/30     

 

『週刊東洋経済』(2010年9月4日特大号)高田氏のインタビューをご覧いただけます。Books&Trends『人脈のできる人』を書いた、高田朝子氏に聞く「一肌ぬげるかどうかが、人脈になる決め手」(P170)

  2010/8/19     

 

わたしも、何度もひとから「一肌ぬいでもらった」ことがある。だから、脱いでもらう要件をこれからチェックしてみるつもりだ/法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科 小川孔輔教授のブログでご紹介いただきました。

  2010/8/10   

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『日経WOMAN』(2010年9月号)内の法政大学ビジネススクールの紹介で、
著者の高田朝子氏のインタビューをご覧いただけます(リンク先はBPnetイベント)。
 
本書の詳細
 
   
はじめに(立読みできます)

第1章 人脈とは何か?

魔法の杖を手に入れろ!
・知識、人脈、度胸、愛嬌?
・シンデレラ・ストーリーは偶然に
・人脈という無形資産
・なぜビジネススクールに行くのか?
人脈を解剖する
・人脈は自己申告制
・「あの人、知っているよ」人間
・人脈という名の期待
・キムラ氏に期待すべきか?
一肌ぬいでくれる人
・人脈とは?
・知恵袋と援助行動
構造を理解しよう
・「ワタシ流」を編み出そう!
・一人でできることなんて

第2章 人脈を科学する――いつから人脈か、どこまで人脈か?

「人脈」の登場
・小才は縁に出会って縁に気づかず
・メディアがとらえた「人脈」
・人脈本の「プッシュ型」と「プル型」
ネットワーク理論の誕生
・ネットワーク・ブーム
・六次の隔たり
・閉鎖的か開放的か
・知り合いの知り合いはじつは知り合いだ
・ネットワーク理論のエッセンス
人は誰のために「一肌ぬぐ」のか?
・信頼と期待
・一肌ぬいでくれるのは?
・必要は期待の母である
人脈の科学
・人脈に連なるまで
・ウツギ氏とカジワラ氏、登場
・ウツギ氏の二つのステップ
・ウツギ氏の思考性向
・予測につきまとう影
・「使える人脈」と「見極め能力」
・社会的知性
閑話休題――受け継いだ人脈と地位の人脈
・親の人脈、一族の人脈
・地位は人を呼ぶ
・犬に権力を与えれば・・・

第3章 デキる人の人脈――考えたこともありません?

「デキる人」を探せ!
デキる人には人脈がない!?
人脈が広い人は「三高」の人!?
・人間的魅力的がある!
・仕事がデキる!
・アフターファイブもそれなりに
人脈メンバーってどんな人?
・仕事の相談相手は誰?
・プライベートの相談相手は?
・情報収集は社内六:社外四
・育ての親は人脈にあらず?
・あなたは一肌ぬげるか?
・社内人脈vs社外人脈
・人脈メンテナンス
人脈メンバーになった理由
・共通の「修羅場」体験
・修羅場の情報密度
・貸し借りは長くゆっくり
・双方向の自信
・修羅場の効用

第4章 医師の人脈――専門職者たちの緊密な世界?

「手に職」ある人々を調査する
・医師を取り巻く環境
・三つの節目
・白い巨塔
・医局の弱体化
医師のネットワーク
・現勤務先ネットワーク
・医局ネットワーク
・個人ネットワーク
・病院外ネットワーク
・医師の世界は狭いですから
医師の人脈を聞く
・人脈は狭いです
・狭くても仕方がない
・医師の人脈は医師
・仕事もプライベートも
人脈メンバーになった理由
・同じ空気を吸う
・「腕」が決め手
・時を超える使命の鎖
・同期の絆は永遠に
・自分への自信
・ネットワークへの信頼
場の効用、技への信頼
・調査について

第5章 女の人脈――男と女はメンテが違う?

女・女・女は姦しい?
女は「気配り」ですか?
女の人脈、男の人脈
・女の人脈は男
・私たちにはロールモデルがない!
・M字カーブと修羅場
人脈メンバーになった理由、再考
・メッセージを発しているか?
・キーパーソンは誰だ?
・性の差、歳の差
女と男はメンテが違う
・長時間直球勝負型の男性
・細切れ時間有効活用型の女性
女性の人脈――はたして広いのか?
・恐怖のインフォーマル・ネットワーク
・「影の実力者」シンドローム
・隣の芝生は青い
・女性のネットワークは多種多様
・男性ネットワークの同質性
男女差は問題か?

第6章 人脈の構造を読み解く――なぜ、どうやってできるのか?

人脈メンバーへの三ステップ
・相手を選ぶ
・観察、評価、取捨選択
・残っていく感覚
人間性評価軸の共通要素
・仕事か人柄か
・好意を持てば、好意を持たれる
・最も大事なのは
人脈メンバーへの思い
・対等な関係
・相手への二重の自信
・自分への自信
・「お返し」の法則
・与えるものなくば、求められず
人脈構造マトリックス
・シンデレラ人脈
・対等な関係
・部下および脆弱な関係
・時の流れと象限の移動
  

第7章 悩めるあなたへのアドバイス――「最強の人脈」をつくるには?

修羅場という名の舞台
・修羅場をつくる三条件
・修羅場の持つ四要素
・修羅場がもたらす二つの効用
見極め力を養う
・見極めの四要素
・自分の思考性向を知る
・対策を練る
人脈は「お返し」で成り立っている
ビジネスパーソンへのアドバイス
・自分の仕事に自信を持とう
・判断軸を持とう
・自己を開示しよう
・自分の思考性向を知ろう
・多くの人と接しよう
・時間軸を長くとろう
 

第8章 マネジャーへのアドバイス――つながりやすい組織とは?

マネージャーのみなさんへ
人脈の豊富な人材を採用できるか?
社員の人脈を豊かにするために
・接点をつくる
・数社共催の人材教育
・期間限定の修羅場作り
・迅速なフィードバック
・業績評価をゆるやかに
・社員を地域へ送り込む
・情報を循環させる
会社が人脈作りに協力的でないときは
おわりに
参考文献

 

 

 

 人脈のできる人 人は誰のために「一肌ぬぐ」のか? 高田 朝子 著

 

 

特別寄稿

   
 

 

はじめに


人脈って何だろう?

 

 本書は、人脈を持ちたいと思うがどうしてよいかわからない、または人脈という言葉は何とも胡散臭いが、一方で興味がある、というビジネスパーソンに向けて書かれている。しかし、どうしたら人脈を増やせるかという具体的なノウハウについては重点を置いていない。冒頭から恐縮だが、その種の即効性のあるノウハウを求めている読者諸氏は、ほかの本をあたったほうがよいかもしれない。基本的には「早い、簡単、うまい」で成立する人脈は存在しないだろうと考えている。ビジネスパーソンが読んですぐそのエッセンスを真似して「万人がお手軽に作ることができる人脈」に、さほど価値があるとは思えない。

 

 

 本書では人脈の基本的な構造について考える。人脈ハウツー本が料理のレシピ本だとしたら、本書は料理の素材についての本だ。人脈がどのようにして作られていくのかを知ることによって、それを読んだ読者が、自分の置かれている状態や、自分自身の考え方に応じてカスタマイズし、自分なりの戦略を構築していけばよい、というのが基本姿勢である。読者は単なるレシピの実践者ではなく、シェフとしてオリジナリティのある料理を作り出すことが求められている。人脈の成り立ちを知ったうえで、自分なりの人脈の作り方をじっくりと考え、実践してもらいたいと思う。

 

 

 人脈という言葉は一種のマジックワードだ。本来、人脈は「人と人とのつながりによってできるネットワーク」を意味するが、一般に「人脈のある人」と言うと、実力者にすぐにアクセスできる人、あちこち顔が広い人といった意味合いになる。そして、それは仕事がデキる人と同じ意味だと思われがちなのだ。しかし、人脈のある人イコール実力がある人とは必ずしも限らない。「顔が広いけど、それだけの人」「どこにでも顔を出して、話に首をつっこむ人」などと陰口をたたかれている人は、読者の周りに一人や二人はいるだろう。もっとも人脈がある人が実力者である確率はそうでない人より高いかもしれないが。また、単に飲みに行くことを「人脈作り」と豪語する人もいる。「私の人脈は飲みにいくことで形成された」と言い切る人もいるが、実際に相手がその人のことを人脈と思っているかは、また別の話だ。

 

 

 人脈があるかないかについては、二方から評価される。他人の目と自分の目である。他人から見て「あの人は人脈がある」と評価される場合は、その人が誰かを知っていたことで恩恵を得たという結果がまずあって、そのあとに評価されるというステップを踏むのが筋だろう。そうした事実や実績を積み上げて「人脈がある人」と評価されている人もいるはずだ。しかし多くの場合、ただ「なんとなく、いろんな人を知っていそうな人」を「人脈がある人」と思い込むことや、一度恩恵を受けただけで、いつまでも「あの人は人脈がある」と崇め続けてしまう場合、そして「自分はいろんな人を知っている」とアピールする人を人脈があると評価することが多いのではないだろうか。

 

 

 「オレは人脈がある」と自負する場合は、本人の持つ期待の話になる。どの程度の強さと、どの程度の広さのつながりのことを人脈と言うのかについて決まった定義はなく、個人の解釈による部分が多い。「あなたは私の人脈です」、という証明書が出るわけでもないので非常に曖昧だ。そしてこの曖昧さこそが、人脈を「なんだかよくわからない」ものにしている原因なのだ。

 

 

 筆者が人脈について最初に興味を持つようになったのは、投資銀行に勤めていたときである。ただ単に人と会うのと、誰かの、それも有力者の紹介で会うのとでは、扱いに天と地ほどの差があった。

 

 

 その後、ビジネススクールの教員になって、学生(と言っても平均年齢三五から三七歳のビジネスパーソンたちである)とディスカッションをしていると、彼らは人脈を持つことの重要性を感じていながらも、どうしてよいかわからずにいること、そして、多くの人が自分の人脈について不満や不安を持っていることがわかった。そこで人脈本として出版されている多くの本を手当たり次第に読みあさったがどれもあまりに具体的なハウツーが満載されすぎていて、それゆえにその本が対象としているスペックからはずれた人間には役に立たないように感じた。自分の経験からも、人脈作りの具体的な方法をたくさん調べてそれを模倣しようとするよりも、人脈の構造を知って自分に合った方法を作り上げたほうが、長い目で見て役に立つのではないかと思った。こう書くと、筆者が世間一般の常識からはずれているから合わないのだ、という至極もっともな「つっこみ」が飛んできそうではあるが。人とどのようにしてつながるのか、そしてそれをどのようにしてビジネスにつなげるのかと考える作業は、非常に興味深いものだった。多くの人々の協力を得てこの本を書き上げることができて幸せである。インタビューに応じてくださった企業の方々、医師の方々に心から感謝申し上げる。

 

 

よき人脈を作るために

 

 人脈の構築は、有能なビジネスパーソンの主要な能力と考えられてきたが、その構造についてはあまり焦点を当てられてこなかった。人脈は財産である。しかし、この財産の作り方・殖やし方は人それぞれであってよい。筆者は、人脈の「構造」をとらえることが、有用な人脈を作るための足がかりになるはずだと考えている。構造を知り、各自が置かれている環境や自身の性質などさまざまな条件を鑑みて、自分に合った人脈作りの方法を考えていくことを勧めたい。

 

 

 慶應義塾元塾長の小泉信三先生は「人生において万巻の書を読むより、優れた人物に一人でも多く出会うほうがどれだけ勉強になるか」という言葉を残している。そして人と出会うこと、つながることがいかに重要であるかを繰り返し述べている。もう一度、言おう。人脈は財産である。人とともに過ごし、人の叡智を借りたり、人に知恵を与えたりすることは、人生を豊かにする。

 

 

 人脈の構造を知ることによって、人とどのようにつながるかという自分に合った戦略を立てることができる。自分が置かれている環境によって、人脈の構築方法は人それぞれだからだ。また、複雑化した社会で、すべてを自前でまかなうことなどできないのは、企業も同じである。多くの人との協働作業で新たなものが生まれ、そこから新しいビジネスが始まる。適切な時期に適切な人と知恵の交換ができることで、自身の、そして自社の可能性は大きく広がるのだ。


 本書が、人脈を作りたいと考えている人の一助となれば幸いである。

 

 

 
     
著者・訳者略歴
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高田 朝子(たかだ あさこ) #

高田 朝子(たかだ あさこ)

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現職    

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法政大学大学院(ビジネススクール)イノベーション・マネジメント研究科准教授

 

略歴    

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立教大学経済学部卒、モルガン・スタンレー證券会社勤務を経て、Thunderbird国際経営大学院修了(国際経営学修士)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(経営学修士)、同博士課程修了(経営学博士)。高千穂大学経営学部専任講師、同助教授・准教授を経て2008年より現職。

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研究歴   

ミドルの活性化とネットワーキング、特に女性ミドルの有機的な活用

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所属団体   

組織学会、経営情報学会、経営行動科学学会、産業・組織心理会、日本リスク研究学会

   

業績 

 危機対応のエフィカシー・マネジメント 「チーム効力感」がカギを握る 高田 朝子 著 『危機対応のエフィカシー・マネジメント
――チーム効力感がカギを握る』(慶應義塾大学出版会、2003年)


『高齢者の生活とリタイアメント・コミュニティ』(共著) 創成社、2006年
『組織マネジメント戦略 (ビジネススクール・テキスト)』(高木晴夫編、共著)有斐閣、2005年

ケース・メソッド入門』(石田英夫・星野裕志・大久保隆弘編著、共著)慶應義塾大学出版会、2007年

“The Role of Team Efficacy in Crisis Management” International Journal of Emergency Management. Vo2issue 1/2 P35-46 October, 2004、「危機対応時における「情報のハブ」の有用性――聖路加国際病院の事例研究から」『経営情報学会誌』経営情報学会 Vol.14, No.3.2005年12月

「人材育成のための効果的観察学習――ハブパーソンを中心とした理論的枠組みの構築」『経営情報学会誌』経営情報学会 Vol15, No4.2007年3月

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 人脈のできる人 人は誰のために「一肌ぬぐ」のか? 高田 朝子 著
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