オックスフォード――ブリテン諸島の歴史 【全11巻】
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刊行の言葉、推薦文
本シリーズの概要

日本語版オリジナル
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 TEL03-3451-3584
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日本のイギリス史理解を変えるイングランド一国史観を超えた画期的通史!
  ◆新たに【第7巻】「17世紀 1603年―1688年」が刊行!
 
刊行の言葉
 
 
 
日本語版に寄せて
  ポール・ラングフォード
(オックスフォード大学リンカーン・カレッジ校長)
 
   日本と似て、グレート・ブリテンとアイルランドは、相対的に孤立した社会と文化を育んできた長い歴史をもつ島嶼である。島の先住民たちは、1000年以上にわたって、ローマ人、アングロ・サクソン人、ヴァイキングの人たち、そしてノルマン人の継続的かつ波状的な侵入にさらされてきた。にもかかわらず、そのような長きにわたる混乱は、次第に、政治、社会、そして文化において独特の型をこの島嶼に刻印していったのである。
 『オックスフォード ブリテン諸島の歴史』は、紀元前55年から2001年までの2000年の歴史を簡略ながら包括的に扱っている。11人の編者と68人の著者が、見識豊かで、明晰で説得力のある技術を駆使して専門的知識を展開している。最終的な目的は、その歴史のなかで、いささか自意識過剰なまでに文明化されたヨーロッパ大陸と、より緊密なネットワークに絡め取られていく拡大する世界のあいだに取り込まれてしまった民集団の、複雑で個性的な集合体の変化と展開をとらえることであった。すべての国民は何がしかの風変わりな面をもっているものである。しかし、ブリテン諸島のひとびとの他者に関する関係における変奇さは2000年あまり注目されてこなかったのである。
 
 
日本語版刊行の辞
  鶴島博和(熊本大学教授)
 
   イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドは、長い時間をかけて、「ブリテン諸島」という運命共同体を形成してきた。そこには、支配と従属、独立と連帯の歴史のなかで、友情と敵意、憧れと侮蔑の感情が渦巻いてきた。しかし、いずれにせよ、従来「ブリテン諸島」の歴史は、19世紀の世界を支配したイギリス帝国の心臓部イングランド中心で描かれてきたのである。帝国の解体とヨーロッパ連合運動の進展のなかで、ブリテン諸島史を相対化し俯瞰する機運が高まってきている。『オックスフォード ブリテン諸島の歴史』全11巻は、こうした文脈のなかで書かれた、最初の専門的通史である。ひるがえって、我が国の歴史学界の状況を見ると、本格的なブリテン諸島の歴史に関する教科書は存在すらしていない。かかる状況を鑑みて、教育と研究のためのテキストを提供し、我が国におけるブリテン諸島史の研究水準の質の向上に貢献したい、これが翻訳刊行の意義と目的である。
 
   
推薦文
 

 

 
 広い視野と
 練達の執筆者
木畑洋一
(成城大学教授)
   従来のイギリス史がイングランドの歴史に偏重してきたことの反省の上に立ち、ブリテン島とアイルランド島の各地域に広く眼を配った歴史叙述を行おうとする試みが、近年さまざまな形でなされている。本シリーズは、そのような研究の最高の水準を示す概説である。各巻の編者はもとより執筆者はいずれも、当該領域に関してすぐれた研究を発表してきた練達の歴史家で、彼らが巧みに提示するイギリス史像はきわめて斬新である。
 

 
 二つの仕掛け
佐藤彰一
(名古屋大学特任教授)
   このシリーズはイギリスの大学学部レベルの歴史教育に狙いを定めた、新しい通史である。イギリスが誇る第一線の歴史家を執筆陣に擁したこのシリーズの特徴は、最初の3巻を別にして、各巻の表題を年代ごとに機械的に「世紀」で表現していること。これは各巻の表題の連なりが、おのずから醸す無用のストーリー性を排除する狙いがあろう。もう一つは、これまで「ブリティシュネス」の背後で匿名化されがちであった北アイルランド、スコットランド、ウェールズの地域と人々が、この魅力的な島嶼の歴史を紡ぐ独自の要因として際立たされていることである。同シリーズの翻訳出版により、日本の読者はこの国の新たな歴史像と、体系的で最先端の知識を手にすることであろう。
 

 
 ブリテン諸島の全体史
高山 博
(東京大学大学院教授)
   11巻からなる本シリーズは、世界の第一線で活躍する専門家らによって執筆されたブリテン諸島の歴史書である。イングランド中心のイギリス史ではなく、イングランドやスコットランド、ウェールズ、アイルランドなどからなるブリテン諸島全体の歴史を、最新の研究成果もふまえて描いている。イギリス史の専門家には必読の書物であるが、広くヨーロッパ史に関心のある一般読者にとっても、読みやすいイギリス史入門書となっている。
 
 
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