8 アイルランド系カトリックの資本主義の精神
 「世紀が変わる頃までには、シティ・ポイントあたりには、医師、歯科医師、薬剤師、弁護士、不動産業が若干いたが、サウス・ボストンに住む人のほとんどは「労働者階級」であり、はっきりとした階級意識が、彼らの自己認識に投影されていた。ロウアー・エンドには大勢の日雇い労働者、港湾労働者、酒場の主人、雑貨商、工員、煉瓦職人などが、一方、ドーチェスター・ストリートの東には、大工、配管工、電気技師、路面電車の車掌、警官、消防士、郵便集配人などが住んでいた。どんな職業であれ、親達は懸命に働き、自分達の仕事に誇りを持っていて、たとえ質素な家に住み、わずかな収入しかなかったとしても、勤勉と意地という労働者階級の価値を賞賛するように子供達を育てた。学校の教師は、生徒に、縫い合わせやつぎあてのある服を学校に着て来てもいいが、洗濯をしてアイロンがかかっていなくてはならないと指導した。」(0’Connor, T.(1994)South Boston: My Home Town. Northeastern University Pressより)
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