1 マサチューセッツ州議事堂

 政治、経済、文化におけるボストンの覇権は、一八五八年にオリヴァー・ウェンデル・ホルムズ・シニア(一八〇九〜九四年)をして、アトランティック・マンスリー誌上で「ボストンの(マサチューセッツ)州議事堂は太陽系の中心(ハブ)だ」といわしめたほどである。裕福な「ブラーミン」――古代インドの司祭階級バラモンからの援用――の家族は、ピューリタンの「高徳者による貴族社会」の継承者であり、ニューイングランドの「始祖の家系」の末裔も多く、ボストンの社会生活における政治、経済、文化、芸術、慈善活動の中心的存在であった。
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